叱ることと甘やかすことの加減について ▶4歳女児のお母様より

Q

叱ること、甘やかすことなどの加減がよくわかりません。子どもを甘やかすことはダメだと分かってはいるのですが、叱ることもあまり良くないと聞きます。どこまでが甘やかしで、どのくらい叱ってよいのかわかりません。  いくら言ってもご飯を食べない子どもに、お菓子を食べさせたり、あまりにも「買って!買って!」とおもちゃをせがむのでと、買ってあげたりしたこともあります。主人には、娘にあまいと言われました。どのように接したらいいのでしょうか。

A

:初めてのお子さんですね。このようなことに迷われる若いお母さまも多いのかもしれません。
: 叱ることと甘やかすことの加減が分からないとのことですが。
:子育ては、叱ることと甘やかすことだけではありませんから、いきなりこのふたつを考えてしまうと、よく分からなくなると思います。先ず、どんなお子さんに育てたいのか、何を大切にしたいのかを考えることから始めるといいでしょう。
4歳の女のお子さんということですから、当然幼稚園か保育園に通っているのでしょう。幼児期の子どもに何を育てなければならないのか、園からもいろいろな機会の折に、話があると思います。それらを参考にしながら、ご主人と話し合われることも大切です。つまり、目標をしっかり持たれると、お子さんへの接し方が分かってくると思います。
: どのような目標でしょうか。
:まず、基本的な生活習慣をしっかり身に着けることです。つまり、食べること、着ること、健康で清潔な生活を保つことです。
次に、人に愛されたり信頼されたりする関わり方です。
これらのこと柄が、しつけの目標です。ご夫婦ではどのようなお考えをお持ちでしょうか。
ただ厳しく叱ってしつけるのではなく、大人の生活がモデルになって、気持ちの良い伸び伸びとした生活の中で、望ましい習慣や態度を身についていくはずです。
: ご飯を食べないお子さんに、お菓子を食べさせることがあるそうです。
:お子さんの中には、ごはん嫌いはいますし、どうしても食べられない時もあります。せめて、お菓子だけでも食べさせたいというお気持ちは、わからなくもありません。大切なのは、お子さんが健康で病気をしないことです。食べることは、子ども自身の問題ですから、時間はかかるでしょうが、叱らなくても、食べて欲しい気持ちを伝えていけばいいと思います。
: お子さんに「買って!買って!」とおもちゃをせがまれると買ってしまうこともあるそうです。
:よくあることでしょう。買えることなら、買ってあげてもよいでしょうが、そこで終わりにすると、甘やかしだとご自分を責めてしまうことになります。このおもちゃはどんなもので、どのように管理するのか、買えないこともあるし、買ってもらえない子どももいる、そんなことについて、お子さんときちんと話し合うことです。欲しいと思えば、何でも手に入るというわけではない事、我慢することも大事だと、お母さまの正直な気持ちをきちんと話すことです。4歳くらいになると、こうした真剣な親の話がわかるようになるはずです。
: 子どもが、自分の要求をどこまでも求めてきたら、どうしたらいいのでしょうか。
:ご夫婦で一貫して、毅然とした態度で、ダメなものはダメ、良いものは良いとすることです。納得しなかったら、禁止できることが親の力であり、責任です。どうでもよいことを一方的に禁止したり、またある時は許したりすることが、子どもを迷わせ、判断力をなくすことにつながります。親として、自信を持って、お子さんと向き合っていかれるとよいと思います。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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