ケンカの仲裁で友達を泣かせてしまう子どもについて ▶5歳 女児のお母様より

Q

私は、年中組に通う5歳の娘と、生まれたばかりの赤ちゃんを持つ母親です。娘は、お姉さんになったという意識が強くなってきたせいなのか、お友達のケンカの間に入り、おせっかいを焼くことが多いようです。
ケンカをしているお友達がいると、そばへ行き、ことの経緯を聞いて「それはAちゃんが悪いよ。Bちゃんに謝りなさいよ」などと言って、Aちゃんを泣かせてしまったりするのです。
娘は言い方が強いので、余計にお友達を傷つけている気がします。どうしたらいいのでしょうか。

A

:お姉ちゃんになって、一生懸命なお子さんの楽しいお話ですね。4・5歳児の発達の姿と、ちょうど一致していて、健気で子どもらしい楽しいお話だと思います。
: お友達のケンカの間に入り、おせっかいを焼くことが多いようです。
:たいへん賢いお子さんですね。知的認識の発達が著しい時期ですから、自分では、良いことをしていると思って、とても得意になっているのだと思います。
: ケンカの経緯を聞いてから、どちらが悪いとか、謝りなさいなどと言って、友達を泣かせてしまうことがあるそうです。
:子どもですから、いざこざの深い心情まではわからずに、自分の理解の程度の範囲で、言ってしまうのでしょうね。お友達に泣かれたことで、なんとなく自分のやり方が、良くなかったことに気が付くこともあるでしょう。こうして成長していくのですから、先生やお母さまが、気付いた時に望ましい言い方を、助言してあげるといいでしょう。
: どのように助言したらいいのでしょうか。
:「○○ちゃんは、みんなが仲よく遊ぶことができたらいいと思っているのね」
「さすが、お姉ちゃん!頼もしいわね」
「でも、Aちゃんはどうして、泣いちゃったのかな?」
「○○ちゃんが見えなかった、Aちゃんの気持ち、考えてみようか」
「Aちゃんは、△△だったのかな?」
「誰かに悪いよと言われると、悲しいものね」
「○○ちゃんも、そんなこと言われたことある?」
 というように、肯定してあげたうえで、目に見えないものを、もっと見えるようにしてあげるとよいでしょう。
: 言い方が強いので、余計にお友達を傷つけている気がします、とのことですが。
:それは、正義感の強いお子さんには、よく見られることです。すぐに直せるということはありませんが
「もっと優しく言ってあげたら、わかってくれたかもね」
と、その時に気付かせてあげることと、お母さま自身が日常的に、優しく話すことに気をつけておいでになると、その話し方をまねるようになるでしょう。言葉は、本当に模倣から見に付くものですから。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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