外泊を嫌がるようになった子どもについて ▶小2男児のお母様より

Q

私は仕事を持つ母親であり、息子は元気な男の子です。家の近所には、いくつか親戚の家があり、従兄もいるため、息子は幼いころから、あちこちの家に一人で泊まることがよくありました。息子は、ひとりっ子なので、本人も外泊を楽しんでいるようでした。
けれども最近は、親戚の家に泊まることを嫌がります。以前は、全然知らない友達とキャンプに行くこともあったのに、そういったことも嫌がるようになりました。どうしてなのか、理由はわからないのですが、とにかく泣いて嫌がります。
私としては、息子にはこれまでどおり、安定した気持ちで色々な場所に出掛けて欲しいのですが、どのように対応したらいいのでしょうか。

A

:成長した証のようなお話ですね。自分の家や家族といった、自分の居場所を意識し始めてきたためでしょう。
:幼いころから、親戚の家に泊まることがよくあったようです。
:お子さんが小さい頃には、周囲もちやほやしてくれたでしょうし、従兄達と大騒ぎして寝ることが、とても楽しかったのだと思います。きっと、親戚の雰囲気が良くて、お子さんも、抵抗感がなかったのでしょう。
:最近は、親戚の家に泊まることを嫌がるようになったようです。
:大きくなるうちに、自分が自由にしたいことが増えて、親戚の家では思うようにならなくなったのでしょう。自分の家と、よその家の違いを、はっきりと意識して、『自分の家が一番良い』と思い始めたのでしょう。
:以前は、全然知らない友達とキャンプに行くこともあったのに、そういったことも嫌がるようになったとのことです。
:『子どもクラブ』のような行事のキャンプだったのでしょうか?大人は、子どもが外泊できるということを、とても評価しますが、子どもの側からすると、外泊は、よほどの条件がそろっていないと、難しいものです。
:とにかく泣いて嫌がるそうですが。
:お母さんがわかってくれない、自分の気持ちを理解してくれないと感じているからこそ、泣いてまでイラ立つのだと思います。
:お母さまとしては、お子さんにはこれまでどおり、安定した気持ちで色々な場所に出掛けてもらいたいようです。
:子どもは成長していくものです。安定的な拠点がとても大事です。自分の家への愛着ほど、子どもの成長にとって大切なものはありません。外の世界へ大きく羽ばたいて欲しいと願うなら、確固とした拠点を作ることは、何より大事です。
今まで、色々なところに平気で出掛けていたのは、お子さんが向日的で明るい性格だったためでしょう。そのお子さんが、精神的に成長した証ですから、お母さまは、『急ぎすぎないこと』『順調な発達を喜ぶこと』『安定した家庭を作り、居心地良くしてあげること』を心掛けて、毎日をお過ごしになってみてはいかがでしょうか。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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