年中組になった息子は、ヒーロー物の番組に興味があるようで、よくテレビを見ています。カッコよく、ポーズをきめているくらいならいいのですが、周囲の人を叩いたり、蹴ったり、暴力的になっているようで、気になっています。夫は「自分も子どもの頃、同じだったよ」と、息子と一緒に戦いごっこをして楽しんでいます。園から帰宅した息子に、青あざがあったこともありました。お互いさまなのでしょうが、お友達に大怪我をさせてしまったらどうしようかと、心配しています。
M:たいていの男の子は、ヒーローごっこなどが大好きです。大暴れをしたい時期の、あり余るエネルギーの受け皿になるような番組ですから、夢中になってしまうのは自然の姿でしょう。
T:お母さまは、暴力的になっていくお子さんのことが気になっているようです。
M:乱暴や戦いごっこが嫌いなお母さまは、『話せばわかるのに』なんて、思っていらっしゃるのでしょうが、それは少し違います。子どもは、自分の中の躍動するエネルギーの塊を爆発させて楽しみたいのですから、暴れるのが普通なのです。特に、4歳頃にはそれがとても盛んになります。
T:ご主人は、お子さんと一緒に戦いごっこをして楽しんでいるようです。
M:大人であるご主人は、お子さんの渾身の力を受け止めることができるので、お子さんも安心して、戦いの相手になってもらっているのでしょう。ご主人が、お子さんと一緒に楽しんでいるなんて、とてもステキな事だと思います。
子ども同士の場合には、きっとそこまではしないという、自然なコントロール意識が働くはずですから、それほど心配ないでしょう。
T:青あざができて帰ってきたこともあるそうです。
M:何かのはずみで、一度や二度は、やりすぎて、子ども同士が泣くこともあると思います。けれども、子どもが『これ以上してはいけない』と自分で気付く機会になるのは、こんな時です。これは、とても大切な経験です。
ヒーローごっこは、成長と共に必ず卒業していきます。単純な憧れから、次のステップに移る時が来るからです。
とても元気なお子さんなので、ご夫婦で楽しく見守っておいでになるといいと思います。