障害を持つ子に対する我が子の態度 ▶小3男児のお母様より

Q

息子の通う学校のクラスには、知的に障害のあるお子さんがいて、支援学級とクラスを行き来しています。低学年の時には感じなかったのですが、息子が最近、そのお子さんに対して、冷たいような馬鹿にしたような態度をとることが気になっています。ゲームなどをしても、ルールが守れなかったり、一緒に遊ぶことが難しかったりするようで、クラス全体もそんな雰囲気だそうです。こういった時には、親として、子どもにどのように接したらいいのでしょうか。

A

:こういったことに気が付かれるお母さまでしたら、きっと精神的に豊かなご家庭をお作りになっているのでしょうね。
:知的に障害のあるお子さんと、同じクラスだということですが。
:障害というのは、何らかのさわりがあることで、それは途中で変化が期待できないものです。その人や家族が、その事実を受け入れて乗り越えていかなければならないものです。それは、人の持つ多くの苦難の中でも、本当に深く果てしないことのひとつです。
障害を持っていない人が、それをどのように受け止めるかは、人間としての生き方そのものに関わります。
特に知的な障害は、理解しにくいので、関わり方を子どもたちが身に着けるのが難しいようです。
:お子さんが、馬鹿にしたような態度をとるということですが。
:きっと、お子さんは、知的障害の意味がわからないからだと思います。もちろん、クラスの担任の先生の指導もあるでしょうが、それを期待するよりも、お母さまがお子さんに、知的障害を持った子の悲しみや苦しみを、しっかり伝えることから始めるとよいと思います。
それには、『全ての人は、みんな、同じように人間としての幸せを求めている』ということを確認したうえで、障害を持っている友達が、支援学級で勉強しているのもその方法のひとつだという事を、真剣に話されるといいでしょう。
:ゲームのルールが守れず、みんなで遊ぶことが難しいために、クラスの雰囲気も同じようだとのことですが。
:障害を持っている子が、みんなと一緒に上手に遊べないことは、当然の事ですから、息子さんから、それを他のお友達に告げて、雰囲気を変えるきっかけを作るように助言したらよいと思います。
「○○君はこれをしてね」と、そのお子さんができることを見つけたり
「○○君は、僕とチームを組もうね」というような方法を考えたりすることです。
『みんなと同じ』を求めるのではなく、そのお友達と一緒に楽しめる方法を考えることで、お子さんだけでなく、クラス全体が明るく活力的になるでしょう。
そのことは、お子さんに自信が付いて、生涯を通じた価値観を養うきっかけになるはずです。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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