食育について両親と意見の合わないお母様について ▶3歳男児のお母様より

Q

私は仕事をしており、息子は今、保育園と主人の両親にお願いしながら過ごしています。
息子は元気なのですが、少し太り気味なので、私は甘いものや脂っこいものを控えさせたいと思っています。けれども、そういうものは子どもの好物ですから、なかなかうまくいきません。先日は、あまりに口うるさく言ったせいか「ママはお菓子を食べちゃダメっていうからキライ!」と言われてしまい、ショックでした。
主人の両親は、息子に対して厳しく接してはくれず、息子の望むままに、お菓子などを与えているようです。私だけが悪者になっているようで、悲しいです。どのように考えたらいいのでしょうか。

A

:食事の事に限らず、子育てをご両親にお願いしていると、思うようにならないことも多く、大変ですよね。お気持ちはとてもよく分かります。
:お子さんは少し太り気味のようで、甘いものや脂っこいものを控えさせたいということです。
:甘いものや、脂の多いものはカロリーが高いですから、ダイエットには一番気になるものですね。けれども、まだ3歳のお子さんですから、大人と同じ感覚で、禁止してしまうのはどうかと思います。お菓子は子どもにとって、とても大事なものですから、上手に食べさせる方法を考えることです。
目的は肥満予防であって、お菓子などを食べさせない事ではありませんから、お子さんの3食をきちんと視野に入れて、食べる時間や量など工夫することだと思います。
:「ママはお菓子を食べちゃダメっていうからキライ!」と言われてしまいショックだったようです。
:3歳のお子さんですと、健康のことを考えているお母さまの気持ちを、わからないのも無理はありません。けれども、若いお母さまが、保育所やご両親にお子さんを預けながらお勤めしていらっしゃると、こういった言葉が一番キツイのでしょうね。
ただ、お子さんも、本当にキライと思っているわけではなく、いざとなったら、やはり『お母さんがイチバン』なのは当然ですから、この言葉にあまり傷つくことはないでしょう。
:私だけが悪者になっているようだ、とのことですが。
:子育ての第一責任者は、お母さまとお父さまですが、たいていの場合、お母さまが最も中心となるものです。
『子どもの健康は自分達に責任があること』をしっかり自覚なさって、子どもが納得できるような関わり方や、ご両親との協働の仕方を、ご主人と相談なさりながら、本気で工夫して、思い切って生活を変えるつもりで関わることです。
3歳くらいですと、まだあまりよく分からないかもしれませんが、食べ過ぎてはいけない理由を、落ち着いた場面で話し、お子さん自身が努力できるような約束をしたり、できなかった場合どのようにしたらよいかを一緒に考えたりしていくといいでしょう。
:例えば、どのようにしたらいいのでしょうか。
:「○○君は、このお菓子が好きなのね」
「全部食べると食べすぎになるので、このくらいずつにしておきましょうね」
「次に食べるときが、もっと楽しみになるから」
「もっとおいしくなる方法は、たくさん遊ぶことよ。そうするとお腹がすいて、お菓子が倍もおいしくなるわ」
「素敵な男の子になるためには、虫歯を作らないことよ。ニコっと笑ったら白い歯がキラリってステキでしょ?お菓子の食べすぎは虫歯も作っちゃうのよ」
「おばあちゃま達も、上手なお菓子の食べ方ができる子を、とっても良い子だと思ってくださるわよ」
というような言葉かけがいいでしょう。
そして、ご両親に対して、お子さんとの約束の項目を示しながら
「このようにしたいと思いますから、よろしくお願いします」 とはっきりと、お願いするとよいと思います。大概の場合は、思っていても口にできないで、自分だけで我慢しているお母さまが多いようです。けれども、はっきりお願いするとその先が広がるものです。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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