片付けのできない子どもについて ▶3歳女児のお母様より

Q

初めての子育てで、よくわからないこともありますが、我が子は女の子なので、身の回りのことはきちんとできるように育てたいと考えています。そのために、娘を叱ってしまうことが多々あります。
特に気になるのは、片付けについてです。一回に遊ぶおもちゃは、ほんの少しなのに、遊び始める時には、まずおもちゃ箱をすべてひっくり返します。「片付けてから遊びなさい!」と毎日のように怒っているのですが、なおりません。どう言って接したらいいのでしょうか。

A

:身の回りをキレイにしておきたいお母さまなのでしょう。女の子なら、特に、整理整頓をきちんとさせたいというお気持ちもわかります。けれども、なかなか片付けができないのは、3歳くらいのお子さんだと普通の姿だと思います。
:お子さんが、遊び始める前におもちゃを全部ひっくり返すことが気になっているようです。
:とても賢いお子さんなのでしょうね。たくさんあるものの中から、自分の好みのものを選択するために、良い方法を考えついたのでしょう。
:使うおもちゃはほんの少しなのに、とおっしゃっていますが。
:そのように考える大人の感覚と、子どもの感覚のズレを知ると、ずいぶん楽になれるでしょう。お子さんの行動は、たくさんのおもちゃの中から、ひとつのものを選択できる力を示しています。見方を変えて、お子さんのそういった発達を喜ばれるとよいと思います。
:片付けてから遊ぶよう毎日のように怒っている、とのことです。
:お子さんにとっては、すべてが遊ぶためのおもちゃなのです。必要かそうでないかの判断は、子どもがするものなので、遊びの時間が終わるまで、好きにさせて、待っていてあげて下さい。
そして、時間が来たら、お母さまと一緒に、上手に片付ける方法を学ばせることです。おもちゃの種類、大きさ別に、お母さまが片付ける様子をお子さんに見せることで、子どもは片付ける方法を学習していきます。
『定所必ず物在り、物必ず定所在り』この言葉は、私が幼いころからずっと聞いていた言葉です。これが片付けのポイントでした。今でも、生きています。
そんなことを念頭に入れながら
「お人形はこっちの箱にしまいましょうね」
「クレヨンは、この引き出しにいれましょう」
「クマさんのぬいぐるみはここへおねんねさせましょうね」
というふうに、始めはお母さまが90%片付けをしてしまったとしても、10%できたお子さんを褒めてあげることです。
お母さまと一緒なら、お片づけは楽しく、遊びの一環になりますし、必ず片付けのトレーニングになります。
「じゃあ、今日は○○ちゃんとお母さんとでお片づけ競争しましょう!」
などと、工夫をされると、お母さまも叱ることが減り、ストレスも少なくなると思います。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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