工作が嫌いな子どもについて ▶5歳男児のお母様より

Q

我が子は、とても元気で活発ですが、何かを作ったり、描いたりすることは苦手なようです。苦手なのだから、少しでも頑張って取り組めば良いのですが、すぐイライラしたり、怒ったりして、やらないので、結局出来ません。
「少しずつやろう」と声をかけ、助力しようとするのですが「ヤダ!出来ない!お母さんが作って!」と怒ってしまいます。どうしたらいいのでしょうか。

A

:きっと初めてのお子さんなのでしょうね。
結論から言いますと、こういったことは、個性ですから、全く心配いらないでしょう。園では、表現活動として、造形活動をすることがとても多くあります。その作品を他の子と比べて見て、お母さまがお子さんの成長や発達を確かめていらっしゃることは、よくわかります。
けれども、お子さんが元気で活発であるならば、工作など、周囲のみんなと同じことができなくても、全く問題ありません。
:お子さんが、作ろうと思っても思い通りに作れなくて、イライラしてしまう場合にはどうしたらいいのでしょうか。
:『やり始めたのにできない』というのは、子どもが自分を知るきっかけになります。幼児期の子どもは、そのことで落ち込むことはなく、好きなことをみつけてやっていくので心配ないでしょう。
好きなことをして、自信をつけて満足することもあれば、その反対もあるものです。
幼児期の場合は、苦手な事を頑張らせるよりも、子どもができる事に自信を持たせて伸ばしていくことが大事です。小学校へ入学すれば、これはどうしてもクリアしなければならない、いわば関所のような事柄もありますが、今は、苦手だから頑張らなくてはいけないということはありません。
:「出来ないから、お母さんが作って!」と言われたら、どうしたらいいでしょうか。
:そんな時には、お母さまは作ってあげないことでしょうね。どうしても、それを作らなければならないものの場合は別ですが
「あなたが作りたくないのなら、お母さんも作らないわ」
「それはお母さんのお仕事ではないわ」
とさらりと言ってしまえば良いのです。「課題、課題」と、お母さまが心をとらわれないことが大事です。
上手に絵が描けないことや、工作が苦手なことは、あまり気になさらずに、元気で活力的なお子さんの長所を見守って育てていくことが一番大切な事だと思います。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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