叶えてあげられない子どもの願いについて ▶3歳女児のお母様より

Q

娘のお友達のお家に、赤ちゃんが生まれたことをきっかけに、娘が赤ちゃんを欲しがるようになりました。娘は一人っ子なのですが、お友達の多くには姉妹がいるため、娘も妹が欲しいようです。
けれども、こればかりは、娘にプレゼントしてあげたくても、簡単にできるものではないし、子どもは一人でよいのではと、夫とも話をしています。
このほかにも、外国旅行やお城のような大きなお家など、なかなか叶えてあげられないような願い事をされた時には、どのように対応していけばよいのでしょうか。

A

:お子さんを、大きな愛情で育てていらっしゃるのでしょうね。かわいい我が子の願いなら、叶えてあげたいと思うのが、やはり親心というものですよね。
:一人っ子である娘さんが、赤ちゃんを欲しがっているようなのですが。
:こういったお話しは、私もよく聞きます。でも子どもは、天からの授かりものですから、そう簡単に生まれるとは限りませんよね。また、家族計画にも、それぞれのご家庭に事情があるものです。ただ、3歳のお子さんに、それを説明して理解させることは難しいでしょうから、
「そうね。お母さんも赤ちゃんが欲しいけれど、なかなかコウノトリさんが連れて来てくれないの」
「でもお母さんは、あなたひとりが、100人の赤ちゃんよりも大切なのよ」
「○○ちゃんが、そんなに妹が欲しいなら、このお人形を○○ちゃんの妹だと思って、お母さんと一緒に遊びましょうよ」 といった交わし方で、乗り越えられると思います
:外国旅行に行きたいと言われたら、どうしたらよいでしょう。
:「あらそう~、外国に行きたいの。どうしてそう思ったの?テレビで見たの?お母さんも、前から行きたいな~って思ってたの。じゃあ、どこに行こうかしら」
エジプトとか、フランスとか南極とか、地図や地球儀などは、比較的手に入りやすいでしょうから、それを見ながら、旅行ごっこをして楽しんだり、
「○○ちゃんが、もっと大きくなったら、お父さんとお母さんと3人でいきましょうね」
と、今行けないことが、永久に行けないことだと思うような対応をしないことが大切です。
:大きなお家が欲しいと言われたら、どうしたらよいでしょう。
:「そうね、お母さんも、大きなお家が欲しいわ~。○○ちゃんのお部屋の窓は、白にする?それともピンクがいい?カーテンは何色がいいかしら?ここのお部屋には、ピアノを置きましょうね。お花も飾りましょう」
といった形に発展させてあげると、現実的な事は抜きにして、楽しめると思います。
「今は、作れないからそんなことはできないのよ」
なんて言わないで、想像の世界で、何の障害もない喜びを共有することは、いくらでも可能です。まだ、3歳ですから、現実的なことをわかっていないので、お母さまも、ご自分の尺度でお子さんの要求にこたえようとせず、どうぞもっと解放されて、お考えになると、さらに子育てが楽しくなってくると思います。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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