人の話を聞けない子どもについて ▶4歳男児のお母様より

Q

年中組に通う息子が、以前から人の話を落ち着いて聞けないことが気になっていました。参観日の際も、園の先生がみんなに分かりやすくお話しているのに、一応椅子に座っていられるのですが、全く別の方向を見ていて、きちんと話を聞いていないため、言われたことができないようでした。自宅で、紙芝居や絵本の読み聞かせをする時も、集中できずに、結局中断することになってしまいます。
周りのお子さんと比べてはいけないことはわかっていますが、もうすぐ5歳を迎える子どもの発達としては、ちょっと違うのかなと気になっています。

A

:お子さんの発達は、本当に気になるものですよね。そして、お母さまの愛情が深ければ深いほど、周りのお子さんと違うという直感は、当たっている場合も多いものです。
:人の話を落ち着いて聞けないことが気になり始めたそうですが。
:お母さんと子どもとのコミュニケーションは、実に深いので、何か問題があるとしたら、気が付かれたことは的確なものなのでしょう。
:紙芝居や絵本など、最後まで見られないようです。
:ご心配ならばやはり、一度、かかりつけの小児科のお医者さまや保健所、市役所の福祉課などにご相談されるといいでしょう。発達の遅れを病院で診てもらうことには、抵抗がある方もいるようですが、風邪をひいたり、お腹をこわした時に病院へ行くように、気軽に発達相談をなさるとよいでしょう。
:周りのお子さんと比べてはいけないことはわかっていますが、とのことですが。
:世間一般にいう『子どもを比べない』ということは、こういったことをいうわけではありません。問題をチェックすることと、人格や個性を無視して何でも比べることとは、意味が違います。我が子の明らかな発達の停滞に気付くために、周りのお子さんの姿を参考にすることは、いくらでもあることですし、お母さまの自然な観点だと思います。
:ちょっと違うのかなと気になっています、とのことですが。
:子どもの発達には、安定した適切な関わりが必須です。お母さまがこれからのお子さんとの関わり方を学ぶためにも、早々に専門機関に相談されるといいでしょう。お子さんの情緒を安定させ、望ましい発達をもたらすためには、お母さまの役割は最も重要です。在るがままのお子さんの実態を受け止めて、お子さんに相応しい適切な関わり方を見つけることが大切です。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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