義父母に子どもを預けて働くお母様について ▶3歳男児のお母様より

Q

私は働いているため、主人の両親が息子の面倒を見てくれています。私としては、義父母に迷惑を掛けたくないですし、息子が甘やかされ過ぎてワガママになるのも困るので、かなり厳しく育てているつもりです。
けれど先日、義母に「日中はすごくおりこうなのに、お母さんが返ってくるとワガママになるねぇ」と言われてショックでした。
たしかに、私が帰宅すると「だっこ、だっこ」と言って来たり、夕御飯も嫌いなものを残したりすることがあります。そう言われてしまうと、甘やかしているような気がして、さらに息子を叱ってしまいます。どうしたらいいのでしょうか。

A

:お辛いですよね。お気持ちよくわかります。ご主人のご両親にお子さんを預けて、気兼ねされながらも、仕事と子育てをまじめに頑張っていらっしゃるのでしょう。お子さんが、抱っこをせがんでくることは、救いだと思います。
:ご主人のご両親に迷惑を掛けたくないし、ワガママになるのも困るので、お子さんを厳しく育てているとのことですが。
:具体的にどんなことに厳しくされているのでしょうね。
:そうですね。挨拶や食事の仕方、言われたことはすぐにする事などといった、生活習慣の自立についてだと思われます。
:お子さんは日頃、お母さんに言われたことをきちんと守っているのでしょう。お母さんと、おじいちゃんおばあちゃんとの関係がわかっていて、緊張しているのだと思います。
:日中はすごくおりこうなのに、お母さんが返ってくるとワガママになると、おばあちゃまに言われてショックだった様子です。
:それは傷ついたかもしれませんね。自分は母親として、充分な事ができていないと、いつもご自分を責めていらっしゃるでしょうから。
けれどもお子さんが、お母さまには、ワガママになるということは、大変喜ぶべきことです。子どもが、一番甘えられる人は結局、お母さんということなのですから。子どもが、緊張することなく、ありのままの自分を出している姿です。お話しをお聞きしていて、こちらが安心するくらいです。
厳しく子育てされているとのことでしたが、本当はとても優しい、きちんとしたお母さまなのでしょうね。
:お母さまは、抱っこをせがんだり、嫌いな夕食を残したりする、お子さんのワガママを気にされているようですが。
:抱っこをせがむのは、ワガママとは違います。大好きなお母さんを本当に慕っている姿なのです。帰ったばかりで、着替えもせず、荷物の整理もしていなかったとしても、まず、しっかりと抱きしめてあげて、
「かわいい、かわいい○○ちゃん。今日も良い子にしていたのね。待たせてごめんなさいね」
などと声をかけてあげて下さい。いっぱいの笑顔で、何度もチューしながら声を立てて笑わせてあげるといいのです。3分もかからずに、お子さんは気持ちが満たされるでしょう
。 夕食についても、子どもが嫌いなものを残すことは、まったくよくあることです。それも甘やかすことではありません。
「これはキライなの?じゃあ、大きくなるために、かわりにこっちを食べようか」
といったかたちで、受容してあげて下さい。
厳しくすれば良い子に育つとは言い切れません。『子どもの良いものは喜びの中で育つ』ものです。多少の甘やかしと思われても、お母さんに褒められることが子どもの喜びであれば、きっとすくすくとよい子に育つでしょう。
ワガママなんて思わずに、自分の働いている間、頑張ってくれているお子さんを、しっかり可愛がって、自信を持って関わっておいでになればいいでしょう。
おばあちゃまの指摘しなさったことは、自分と子どもとの関係が望ましいものであったことを理解できれば、また勇気もでてくるでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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