近所の子ども好きな方との付き合い方について ▶5歳男児のお母様より

Q

夏休みに入り、息子は近所のお友達と遊ぶ機会も増えてきました。近所とのお付き合いは嬉しいことなのですが、近くにお住まいの60歳代の老夫婦のことで、少し気にかかることがあります。
大変気持ちの良いご夫婦で、子ども達が遊んでいると、おやつを下さるなど、とても可愛がって下さるため、子どもは喜んでいるのですが、夕食前だと、あまりお菓子を食べ過ぎては困るし、食物アレルギーや中毒なども心配です。
今後もよいお付き合いを続けていくために、どのような対応をしていけば良いでしょうか。

A

:ご近所に、お子さんを可愛がって下さる方がいらして良かったですね。愛されたり大事にされたり、関心を持たれたりすることは、子どもの心を豊かにしますから。そのご夫婦に対して、お子さんの前で素直な感謝の気持ちを出されると良いですね。
:おやつなども下さるそうですが。
:しばらく子どもに接した事のない方の、子どもへの愛情表現は、おやつのような、子どもが好きな物、昔自分がもらって嬉しかったものをあげるという方法が、まず思い付かれるからでしょう。
:夕食前には、ごはんが食べられなくなってお困りのようですが。
:これは、食事のしつけの良いチャンスですね。5歳位になれば、食べ方をコントロールすることを教えることができます。例えば、お母さまのいない場合食べてしまった場合
「○○さんに、お菓子を頂いてよかったわね」
「ありがとうって言った?」
「夕ご飯食べられるかな?」
「ご飯は体を作るために大切だから、きちんと食べないといけないのよ」
「だから、おやつを頂いても、『これはご飯食べられるかな』と思って、頂いて帰って後で食べたりするといいのよ」
「そんな時は、○○さんに『ありがとうございます。ご飯の後に頂きます』って言いなさい」
というような話し方をなさるといいと思います。
:食物アレルギーや中毒などのご心配もされているようですが。
:食物アレルギーは、今注目されている『食育』のポイントのひとつですが、アレルギーで一番苦しむのは本人なので、どんなものが食べられないのかは、本人がよく理解していなければならない事です。
お子さんが、自分は何が食べられないかを覚えていて、相手の方にきちんと伝えられたら、問題は起こらないし、相互の理解も深まるでしょう。
「これ○○が入っていますか?僕、○○はアレルギーで食べられないんです。すみません」
と言えるようにしておくことです。
そのご夫婦は、賢いお子さんを一層好きになって下さるでしょうし、そうした人との関わりは、お子さんの精神的な成長に、思いがけない物をもたらすはずです。
:食中毒については、いかかでしょう。
:食中毒が心配になるような物を下さる事は、ほとんど考えられないでしょう。むしろ、子ども自身の手に付いていたばい菌が、原因になる事の方が考えられるでしょう。ですから、外で食べ物を食べる時には
「きちんとうがい手洗いをしてから食べるように、お母さんから言われています」
と言えるようにしておくと、問題は起きないでしょう。
大切なことは、『この子の親は食物について神経を使っているということ』ことが相手に伝わる事です。そうすると、安易に食べ物や飲み物を出すこともなくなるでしょう。下さる場合も、始めから安心できるものになることが期待できます。頂いた後は、お母さまからもきちんとご挨拶をして、その機会に、お返しを用意しながら、衛生観念を伝えることで充分だと思います。
:今後も良いお付き合いをしていくためには、どうしたらよいか。
:子どもの遊び時間を決める事、遊び場所を選ぶこと、安全確保に努める事等は、親の責任です。親しいからといって、相手にご迷惑をかけない程度を心得て、近所づきあいの中での、ちょっとした礼儀を守っていけば、充分良いお付き合いができるでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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