お友達の家の親切に悩むお母さま ▶小2男児のお母様より

Q

息子は小学校2年生で、たくさんのお友達と仲良く毎日を過ごしています。子ども同士で家を行き来することもよくあるようです。とは言え、私は仕事をしているので、子どもたちが我が家に遊びに来ることはありません。
息子が友達の家にお邪魔するばかりであることが、私としては、とても心苦しいです。息子に「毎日はダメ」「土日はダメ」と言っているのですが、友達同士で遊びたいらしく、友達の家に行きたがります。
また、先方のご家庭では、お子さんのお母さまが「うちは大丈夫だから、遊びに来て」とか「土曜日には泊まりに来て」「公園に遊びに行くから一緒に行きましょう」などと誘われます。息子は大喜びなのですが、私は気が重く、うまく断りたいと思ってしまいます。どうしたら、いいのでしょうか。

A

:お子さん、ずいぶんとお友達と仲良く過ごしているようですね。きっと、穏やかなお子さんで、お友達も一緒に遊ぶのが楽しくて仕方がないのでしょうね。
:お母さまは仕事をされているため、息子さんは日頃、お友達の家に遊びに行くばかりとのことですが。
:お子さんにとってその家は、あたたかく迎えてもらえるので、居心地が良いのでしょう。お母さまの遠慮や気兼ねなど理解できず、相手のご家庭の親切を、子どもらしい素直さでそのまま受け入れているようですね。
:週末に泊りで遊びにくるよう誘われたり、公園に一緒に行こうと誘われたりするようです。
:相手のお母さまは、親としてできるだけ子ども同士を楽しく遊ばせたいとお考えなのでしょうね。このように、とても親切な方はいますよね。
:そのことで、気が重くなっているようですが。
:お母さまのお気持ちはとてもよくわかります。どんなことでも、受けるだけの側に立ったら、気が重いのは当然です。相手は、ただ善意でなさっているので、どうしたらよいのかわからず追いつめられてしまっているのでしょう。誠実な方なのだと思います。
:うまく断りたいと思っているようですが。
:こんな時には、自分の本当の気持ちを伝えることが一番です。お母さまが、受け身の関係を本気で断ち切りたいとお考えになるなら、思い切っておっしゃってみることです。それは、本当に望ましい人間関係を築き、子供同士が成長しても仲良くできるような間柄に育てることにつながるはずです。
:どのようにしたらいいのでしょうか。
:まず、お子さんには、本当に大好きな友達といつまでも仲良くするためには、対等な関係が大事であることを伝えましょう。お母さまは、親切にして頂くばかりで、何もお返しできないことが心苦しいことと思っていること。お母さまが仕事をしていることは家庭にとって、とても重要なことであること。そのために我が家にお友達が遊びに来られないなら、相手の家に行くのではなく、他の場所で遊ぶことを、お子さんに納得させるのです。小学校2年生なら、きっと理解できるはずです。もしグズグズ言っても、お母さまが毅然として自分の意見を貫くことが必要です。
そして、相手のお母さまには、
「ご親切は本当に嬉しく、我が子もすっかり甘えて心地よく遊ばせて頂いていますが、私が仕事をしておりまして、受けるばかりでお返しもできず、心苦しく感じています」
「今後とも長いお付き合いをさせていただくために、受け取るばかりの関係は遠慮させていただきたいと思います」
「どうぞあしからず、お汲み取り下さい」
と、はっきり伝えることです。相手方に「我が家ではそんなこと何でもない」と言われたら、日頃のお礼の品を添えて、もう一度手紙で子どものためですからと、丁寧にお断りすることです。
お互いに気まずいのは、一時で、子ども同士はそれなりに付き合いを続けて行くでしょう。
お子さんと、帰宅する時間や家での過ごし方など、話し合って工夫すると良いと思います。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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