先生との関わりが薄い子どもについて ▶3歳女児のお母様より

Q

年少組に通っている娘です。娘の様子を見ていると、担任の先生との関わりが薄いように感じます。娘の話に友達の話はよく出てきますが、担任の先生の話は出てきません。私が「先生とは遊ばないの?」と聞くと「先生は○○ちゃんと遊ぶから」「先生は忙しいから」などと言います。
参観日に行っても、他の子ども達が「先生!」と抱きついていくのに、娘は行きません。先生のことが嫌いなわけではないようなのですが、先生も、娘にあまり話しかけてくれていない気がします。
先生との関係が薄いのか心配です。どのように考えたらいいでしょうか。

A

:初めてのお子さんでいろいろな思いが深いのでしょうね。園についても、物語やテレビドラマのような関わりをイメージしておいでなのでしょう。大切なお子さんが、先生と手をつないだり、抱っこしてもらったりする姿が普通だと思っていらっしゃるのでしょう。
:お子さんの話では、友達の話は出てきても、先生の話は出てこないようです。
:3歳でお友達の話ができるのですから素晴らしいですね。それは、人と関わる力育っていて、先生の仲立ちがなくても、自分でお友達を作ることができている証拠ですから。
:先生のことを聞くと「先生は忙しい」などと言うそうです。
:園の先生は、集団指導が原則です。集団生活をスムーズにするために、それぞれの子どもの発達に応じた関わりをしていますから、このお子さんは、様々なことの発達がしっかりできているのでしょう。
先生が忙しいとか、他のお友達に関わることが必要だと理解しているのですから、知的にも優れたお子さんのようですね。 :参観日などで見ていても、お子さんは先生に抱きついたり、駆け寄ったりしないとのことですが。
:人懐こい性格と、そういった事を好まない性格のお子さんがいるものです。どちらかというと、先生に抱きついていく子どもの方が少ないと思います。
:お子さんは先生のことが嫌いなわけではない様子です。
:それなら何も心配はいらないでしょう。お子さんには園の生活の中で、人と関わる力が育っているのだと信じて、見守っておられるとよいと思います。人との関わりで一番大切なのは、人を愛したり、信頼したりすることの力を育てることです。その基盤はふつう、家庭で築かれます。
お腹がすいた時には食べることができるとか、寂しい時や困っている時には守ってもらえるとか、眠い時に眠る場所があるとか、子どもの欲求が自然に果たされることで、自分が守られていることを信じることができることから始まります。遠回りのようですが、お母さま自身がお子さんと、その関係をしっかり作っていれば大丈夫でしょう。やがては先生とも人間関係が築けるでしょう。
:先生がお子さんに、あまり話しかけてくれない気がするとのことですが。
:関わり方には、いろいろなかたちがあるものです。先生は、おそらくこのお子さんをとても安心して見守っているのだと思います。声をかけなくても、全体に話をする時に、目を見たり、表情を見たりして、心にかけているはずです。
園からの連絡票や、通信欄などを見ると、いかに先生が子ども一人一人をよく見ているか分かると思います。
お母さまも安心して、お子さんの一日一日をゆったりと見守ってあげて下さい。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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