預かっている子の遠慮のない態度について ▶4歳女児のお母様より

Q

我が家では、親子で仲良くしている友達の家族がいくつかあります。私の両親は遠方に住んでいるので、何かある時には子どもを預けたり、預かったり、友人はとても心強い存在で、助かっています。
最近、子どもを預かっている時に、その子が家の引き出しを勝手に開けたり、おやつに注文をつけたり、嫌な気持ちにさせられることがありました。子どものすることなので、注意して良いのか悩み、我慢しています。このような時にはどうしたらいいのでしょうか。

A

:こういったことはよく聞くお話で、お母さまのお気持ちはとてもよくわかります。親しいご家族が互いに子育てを助け合うことは、とてもよいことですが、しつけに関して共通の価値観を持っていなければ、良い関係を続けていくことは難しいものです。
:預かっているお子さんが、家の引き出しを勝手に開けることがあるようです。
:「戸棚の中には、おじさんやおばさんの大切なものが入っているから、勝手に開けたりしてはダメよ」とはっきり言うことです。案外言ってしまうと、気持ちが治まるものです。
もちろん、してしまってから言うのは、お互いに気まずいので、そのようなことをする前に、子ども達に話しておくことが望ましいでしょうが。
:おやつに注文をつけることもあるそうです。
:おやつについても 「今日はこれしかありません」
「これで我慢してね」
と言って、あとにいろいろと説明をしないでいることがコツです。
お互いに子育てを助け合うならば、事前に子どもも含めて、相手の方といくつかの約束しておくことです。
○それぞれの家で食べないことになっているものを食べさせないこと
○それぞれの家で用意されたものを『ありがとう』を言って頂くこと
○きれいに食べて、ゴミは自分でゴミ箱へ捨てること
というように、決まり事を作っておくことです。
:そういった約束ができていたらよかったのですが、そういう約束がないままに、起こってしまったことのようです。どうしたらいいかとおっしゃっていますが。
:はっきり言って、価値観を共有できなければ、トラブルは増える一方です。相手に気兼ねして、言いたいことを言わずに我慢していると、お付き合いは長続きしません。『親しき仲にも礼儀あり』といいます。これからもよい関係を築いていきたいとお考えなら、覚悟を持って相手に伝えてみることです。
そして、まず子どもに、こうして欲しいという自分の気持ちを、我が子にしつけるような気持ちで、言うことです。子どもが理解できれば、二度と同じようなことはしないでしょうし、信頼関係も深まるでしょう。
:どのような言い方をしたらいいのでしょうか。
:「○○君はとってもいい子で、おばさんは大好きだけれど、おばさんの言うことをわかってくれたら、もっと好きになると思うわ」
「自分のものを勝手に誰かに見られたり、いじられたりしたらどう思う?」
「それは、誰のものでもしてはいけないことなのよ」
「見たかったら『見せてください』って言いなさい。そしたらきっとお互いに気持ちがいいでしょ?」
というようなことです。
助け合っていたとしても、お母さまは、相手の子どもに愛情を感ずるまでにはいたっていなかったということに気づいて、このことをきっかけに、もっとよい助け合いができるようになるでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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