「大変な子ども」だと思われたくないお母様について ▶3歳男児のお母様より

Q

来月に園の運動会を控えています。息子は、あまりに元気過ぎて、みんなと一緒に並んだり歩いたりできないようです。遊戯も全く踊らず、先生の目を盗んで、走りまわったりしているようです。
運動会当日に、我が子のそんな姿を見るのもイヤだし、周囲の方に迷惑をかけたり、他の保護者の方に『すごい子』だと思われたりするのもイヤなので、当日は休ませようかと悩んでいます。どうでしょうか。

A

:元気なお子さんのようですね。エネルギーいっぱいのこのようなお子さんは、よくいますよね?
:います。元気な3歳児ですと、自分のやりたいことをやりたい時にやるお子さんは、たくさんいます。大変ですけど、本当に可愛くて、微笑ましいですね。
:3歳児の場合、運動会やお遊戯会などの、集団生活が好きでない事は、よくあることだとお思いになっていればいいでしょう。園にとっても、お子さんが楽しむことが目的ですから、お母さまもゆったりと笑いながら、見守って差し上げることです。
:我が子のそんな姿を見るのがイヤ、とのことですが。
:お子さんが成長してみれば、きっと懐かしく思うでしょう。今、この時にしかない、子どもらしい可愛さだとお思いになることです。
:周囲の迷惑になったり『すごい子』と思われたりしたくないようです。
:周りは、それほど迷惑とは思わないでしょう。特に子ども達は、自分のことで一生懸命で、お友達のそんな行動には、おかしいくらい『我関せず』です。
『すごい子』と言っているのも、他の人ではなく、お母さまではないでしょうか?自分の子どもにはもちろん、子どもの発達上の姿に、このような言葉を使うことは好ましくありません。
走り回るのも内から出で来るエネルギーが、そうさせているものです。『先生の目を盗んで』などといった言葉を使うことも、子どもの心や言葉を歪めてしまいます。大人の思いすごしの言葉で、表現することは、気をつけなければならないでしょう。
:他の保護者の方に『すごい子』だと思われたりするのもイヤなので、当日は休ませようかと悩んでいます、とのことですが。
:まず、誰のための運動会なのかを考えるべきでしょう。お休みなんて、もってのほかです。3歳の運動会はたった一度しかありません。
子どもに充分な経験の場を与えることは、幼児教育の中で、最も重要なことのひとつです。上手だったり下手だったり、できたりできなかったりすることは、第3、第4のことです。その場に参加して、自然な姿で過ごすことだけで、充分な発達の糧になるはずです。
他のお子さんと比べたり、他の人の評価を気にしたりすると、子育てはとても息苦しくなります。子どもはみんなそれぞれですから、お母さまは、お子さんが楽しければ、それでいいのだとお思いになることで、お気持ちが楽になるでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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