おとなしい子の入園について ▶3歳男児のお母様より

Q

来月に入園予定の息子は、家ではとても元気です。けれど、外へ出掛けるととてもおとなしく、友達にも自分から話しかけるような子ではありません。
公園へ行っても、知らない子がいると遊びだせないし、夫の友人が子ども連れで我が家に遊びに来ても、陰から見ているといったふうです。
入園したら、友達ができるのか、寂しがらないか、泣いてしまうのではないか、そんな姿に先生が気付いて下さらなかったらどうしよう…などなど、とても心配です。息子には積極的な子どもになって欲しいのですが、大丈夫でしょうか。

A

:穏やかでおとなしい性格のお子さんで、お母さまはこれまで、穏やかな子育ての日々を過ごされておいでになったでしょう。
:お子さんは、自分から友達に話しかけられないようですが。
:内向的な性格のお子さんでしたら、当然、自分から話しかけたり、遊び始めたりするといったことはないでしょう。心配なさらなくても、こういったお子さんにとっては、周囲をじっとみることが、とても興味深いことなのです。心の中は、新しい刺激でいっぱいで、たくさんの物を得ていると思います。
:お母さまはお子さんの入園に、心配が尽きない様子ですが。
:こういったお子さんは本当にたくさんいます。園の先生は必ず気がついて言葉がけをしたり、指導をしたりして下さいますから、あまり心配しすぎないで、親子一緒になって、園での生活を楽しみにといいでしょう。
:お子さんに友達ができるか、とご心配なようですが。
:3歳児は、どんなに大勢の子ども達が一緒にいても、友達をつくることまでには至りません。もちろん一緒に何かをしているという新しい変化はありますが、誰かと友達になるまでには、時間とたくさんの経験が必要になるものです。ですから、すぐに友達ができなくても全く問題ありません。
:お母さまは、お子さんが寂しがるのではないかと、ご心配な様子です。
:内向的なお子さんは、いつも何かをじっと見つめ、心の中は観察しているもののことでいっぱいになっています。ですから、おそらく『寂しい』と感じることは少ないのではないかと思います。
:お子さんが泣いてしまうのでは、とご心配のようですが。
:もし泣いてしまうことがあるとしたら、それは成長していく上での大きなステップになるはずです。お母さんが恋しいとか、これは我慢ならないほどイヤだとか、お子さんが乗り越えられないものがはっきりとしてくるからです。ただ、内言の育っているこのお子さんでしたら、いろいろなものへの関心や好奇心が強く、泣いている暇などないということもあるでしょう。そうこうするうちに、日々が過ぎてどんどん成長していくと思います。
:積極的な子どもになって欲しい、このままで大丈夫でしょうか、とのことですが。
:全く大丈夫です。このお子さんにとって、積極的なことが意味あることとなるのは、もっと大きくなってからのことです。お母さまは、『この子はおとなしいけれどいろいろなことを分かっているのだ』と信じて、心配なさらずに、お子さんの性格を大切にしてあげて頂きたいと思います。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
Copyright(c) Yamanashi Gakuin University. All rights reserved.