入園前に排泄の習慣が確立していない子どもについて ▶3歳女児のお母様より

Q

娘はもうすぐ入園することを、とても楽しみにしているようですが、私はドキドキしています。
身の回りのことは、ひと通り自分でできる娘ですが、遊びに夢中になると、おしっこを失敗してしまうことが多いです。ウンチにいたっては、一度オムツに履き替えてからその中にするというパターンが多いです。
「幼稚園に行ってから困るでしょ!」と私が言っても、本人はあまり気にしていない様子です。大丈夫でしょうか。

A

:初めてのお子さんで、いろいろとご心配なのでしょうね。結論的に申し上げますと、大丈夫です。こういったお子さんはよくいらっしゃいますよね?
:そうですね。むしろ、3歳児の入園の場合、排泄がすべてひとりできちんとできるお子さんは少ないです。ご自宅では上手にできていたお子さんでも、園ではおしっこを失敗してしまうということはよくあります。ただ、失敗を繰り返して、園の生活になれるうちに、子ども自身がおしっこに行くタイミングを見つけることもあるようです。
また、ウンチの時には、オムツがないとダメというお子さんも多く、そんな場合は、着替えと一緒にオムツも園に持って来てもらっています。
子ども達はだいたい、一年くらいかけると上手に排泄できるようになりますね。
:お子さんが、集団生活ができるようになったから園に通うのか、それとも、集団適応させるために入園させるのか、どちらの気持ちをお母さまが重視させるかによって、ずいぶん負担感も違ってくるでしょう。お母さまが、少しゆとりをお持ちになると、お子さんもプレッシャーが少なく、園にスムーズに適応できると思います。
:お子さんが、オムツに履き替えなければウンチができない事などを、お母さまはご心配のようです。
:オムツに履き替えてウンチをするということは、便意を意識している証拠です。やがてはお子さんも、オムツに履き替えるか、トイレに行くか、生活の中でどちらがより快適なのか、わかるようになるでしょう。また、トイレに行きにくい理由として『寒い』『怖い』『お母さんにそばにいて欲しい』などいろいろと考えられるので、そうしたことに周囲の大人が対処していくといいでしょう。
:「幼稚園に行ってから困るでしょ!」とお母さまが言っても、本人はあまり気にしていないということですが。
:3歳くらいのお子さんですと、予測して物事を判断する力は、あまり育っていないので、実感がわかないのでしょう。成長と共に、園でお子さん自身が、先生にお願いすることが恥ずかしくなったり、言いにくくなったりして、排泄とは自分にとってどういうものなのか分かりかけてきて、子ども自身で問題解決するようになります。それを待っていてあげることが大事でしょう。
:お母さまはどうしたらいいでしょうか。
:もしお母さまができるようであれば、お子さんと一緒にトイレに行ってあげること、一度でも上手にトイレで排泄できたら褒めてあげること、トイレを楽しい空間にする工夫をすることなど、焦らずに寄り添う事が大切です。
前向きで楽しい事を積極的に話しながら、楽しみに入園を待つことをお勧めします。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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