入園後の友達関係を気にするお母さんについて ▶6歳女児のお母様より

Q

娘は、大人しいタイプの子どもなのですが、元気に園に通っています。小学校入学を間近に控えて、親の私の方がドキドキしています。そして最近、少し気になることがあります。
娘の園のお友達のAちゃんのことなのですが「Aちゃんが、Bちゃんのことをチビって言った」とか「Aちゃんが、チビのBちゃんと遊んじゃダメだってみんなに言うの」といった話を娘からよく聞くのです。娘も、園の他のお友達も、Aちゃんを止めることはできていないようです。
これは、小学校でいう、いじめの始まりなのかな、と気になっているのですが、こういう時には、親として娘にどのような声をかけて、どのように接していったら良いのでしょうか。

A

:はじめてのお子さんなのでしょうね。小学校入学前の不安は、本当に大変なものです。でも、何も心配しなくて大丈夫です。
:お母さまは、お友達のAちゃんの言葉が気になって、いじめの始まりかと心配されているようですが。
:幼児期の子ども同士のトラブルなど、まさに日常茶飯事で、ケンカしたり仲よくなったりしながら、どうしたらみんなが受け入れてくれるか、くれないかというようなことを、園に通う3年間で学んでいくものです。いろいろな事の葛藤と克服の繰り返しによって、子ども達は精神的に成長し、小学校での集団生活が可能となるのです。活発な子も、大人しい子も、それはあまり変わりません。
また、小学校では、先生方が、子ども達がきちんと学校生活に適応できるように見守って指導して下さいますから、先に心配なさらないで、お子さんとは、小学校の楽しい事ばかりを話していれば、自然に不安は消えると思います。
世間でよく耳にする『いじめ』という言葉に反応して、Aちゃんの言葉を取り立てて気にしすぎるほうが問題です。言った言わない論争ほど、発展性のないものはありませんし、かえってトラブルの原因になりかねませんから。
:こういう時には、親として娘にどのような言葉をかけたらよいのか、とのことですが。
:トラブルの内容には深く触れずに、ただ
「そうなの、そんなことがあったのね。同じ園のお友達なのだから、仲よくしようねって言ってみたらいいじゃない。もし言えなくても思っていれば、わかるわよ」
といった言葉がけです。
お子さんの言ったことに、取り合わないことは、必ずしも無責任な事ではありません。お子さんの話すことを大らかに受け止めるゆとりが、お母さまとお子さんの精神衛生をはかることにつながると思います。
そのうえで、お子さんには
「○○小学校には、たくさんの幼稚園や保育園から新しいお友達が集まってくるのよね」
「お友達と仲良くなりなさいね。ほら、友達100人できるかなっていう歌もあるでしょう?」
「お友達をつくる方法はね、こちらがまず『おはよう』っていうのよ。『遊ぼう』って言ったり『なんてお名前?』って聞いたり、『お家はどこ?』『私のお家は△△というところよ』なんて、聞いてみるといいわ。きっと、お友達になれると思うわ」というようなことを言って、子どもがどんなことを言ったらいいか、具体的に示してあげるとよいと思います。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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