飽きっぽい子ども ▶5歳男児のお母様より

Q

夏休みに入り、一日中子どもと接しているせいかもしれませんが、息子のマイナスな姿が目につき、イライラしてしまいます。
息子はおもちゃを出しても片付けないで、次のおもちゃを広げて遊び始めます。足の踏み場ない状態になってしまいます。テレビを見ている時にも、おもちゃを出して遊び始めることがあるので、かなり飽きっぽい性格なのではないかと気になっています。
いろいろなことに興味を持つことはいいのですが、もう少しひとつのことに集中して取り組めたらいいのにと思ってしまいます。どのように接したらいいのでしょうか。

A

:5歳の男のお子さんの夏休みは、エネルギーの爆発が一日中続いているようで、お母さまは閉口なさるでしょうね。イライラしてしまうお気持ちもよくわかります。けれども、活力的でステキなお子さんですね。
:お子さんは、おもちゃを次から次へと出して片づけないため、足の踏み場もない状態になってしまうそうです。
:それこそ、ごく普通の健康的な子どもの姿ですね。興味や関心があふれて、どんどん次のおもちゃに移ってしまうのでしょう。活力的な子どもの姿としては、むしろ望ましいことです。
:テレビを見ている時にも、おもちゃを出してきて遊ぶということですが。
:遊ぶことは、子どもにとっての仕事です。園で過ごしている時のように、先生が何かの課題に取り組ませたり、お友達と一緒にひとつのことをやったりすることとは違うのです。どうやって、今の時間を過ごすかを自分で考えて、面白いことを探しだしているのです。ですから、テレビを見ながらでもおもちゃを出して遊ぶことも、子どもにはよくあることなのです。
:お子さんがとても飽きっぽい性格なのではないかと、お母さまは気にされているようですが。
:こういったことは、ひとつのことに取り組めるほどのものが、まだ見つかっていないからしている行動なので、集中力がないとか、飽きっぽいということとは違うと思います。あまりご心配なさらなくても大丈夫でしょう。
:お母さまとしては、お子さんに、もう少しひとつのことに集中してほしいと思っていらっしゃるようです。
:子ども達の中には、ブロックが大好きでずっと遊んでいたり、プレートパズルを何回もやっていたりするお子さんもいます。けれど、そんな子ども達も、一日という時間枠で見れば、それほど長い間集中しているわけではないはずです。
子供向けのテレビ番組も、15分、長くて30分くらいに作られているものですし、一冊の絵本も、読むのにそれほど時間がかからないものです。
子どもは、いろいろなものに触れながら、夢中になれるものを見つけていくのですから、これも成長の一過程と捉えることです。
そして、お母さまは、お子さんに対するイライラを解消する方法も考えられるとよいでしょう。
:どうしたらいいのでしょうか。
:お子さんにも簡単にできるように、おもちゃの片付け方法を工夫することです。おもちゃを出しやすくしまいやすく、楽に片付けられるように、まずは、お母さまとお子さんとで、必要な物の収納場所を見直すことから始めます。
「○○君の大好きなロボットは、このカッコいい箱にしまいましょうね」
「○○君の大事なこのカードは、どこにしまおうかしら?」
というように、お子さんと一緒に考えながら、分類して片づけていきます。 徐々に、お子さんも自分でおもちゃを管理することに慣れてくるでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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