登園を嫌がってチックが始まった子どもについて ▶小1男児のお母様より

Q

4月の入学当初は、喜んで学校に通っていた息子ですが、5月の連休明けから登校を嫌がり、登校時間が近づくと、目をパチパチさせるようになってしまいました。
学校に行きたくない理由を尋ねると「先生が怖い」と言います。息子は、先生から「早くしなさい」「きちんと並びなさい」などと叱られることが多いようです。私は「先生の話をよく聞きなさい」「早めに行動しなさい」など息子にアドバイスをしているのですが、あまり状況は変わりません。
目をパチパチする息子のことが心配で、担任の先生に現状を伝えたいのですが、原因が先生の話なので、どうしたらいいのか困っています。

A

:新しい生活に適応するために、お子さんが大変緊張して起こった出来事でしょう。きっと真面目なお子さんなのだと思います。
このように、目をパチパチさせるようなことをチックといいます。身体の特定の筋肉が、動かそうと思っていないのに勝手に動き出してしまう、素早い運動や奇声のことです。首ふりや足揺すりなどいろいろある中でも「まばたき」は最もよく起こる姿です。
100人に10人くらいの人が経験し、大半は一年くらいで自然に消失してしまうといわれています。
:5月の連休明けから登校を嫌がるようになり、学校の先生が怖いことがその原因のようです。
:お子さんは、健気な努力で何とか学校生活に適応しようとしているのですから、あまり大騒ぎせず
「大丈夫。初めはどんな子だってそうなのよ」
「あなたが一生懸命やろうとしていることは、先生もよくわかっていらっしゃるわ」
と、ああしなさい、こうしなさいと言わずに、お子さんの頑張りを大らかに見守りながら過ごされることです。
:目をパチパチすることが心配で、先生に相談したいと思っても、どう言ったらいいのか悩んでいらっしゃるようです。
:先生も何とかしてクラスの運営をスムーズに進めたいと思っていらっしゃるのでしょう。お母さまから、お子さんの状況の原因を告げられても、先生は困ってしまうかもしれませんね。
「息子はこの頃、学校へ行きたがらないのですが、とにかく登校させるようにしております。学校で何か変わったことがありましたら、お知らせください」
という程度に留めておいた方がよいと思います。
まずは、慌てずお子さん気持ちを受け止めて、日々の小さな安心を少しずつ増やしていくことで、変化が出てくるはずです。
多くの子どもが通る道ですから、あまり深刻に考えない事、焦らないことが大切です。先生の対応を原因と考えて、加害者や被害者を作ってしまうと思わぬ深みに入り込んでしまうことになります。
お母さま自身がお子さんの気持ちと、先生の立場を暖かくおおらかに受け止めて、肯定的に表現し続けていると、自然に目のパチパチも消えていくでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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