給食を食べなくなった子どもについて ▶4歳男児のお母様より

Q

年少組に通う息子は、体調を崩していた時に、園で給食を食べて吐いたことがありました。それ以来、給食を食べなくなり、園へ行くことも嫌がるようになりました。担任の先生は「無理せずに…」とおっしゃって、給食の時には、息子に言葉をかけながら、そばについていてくださるようです。けれども息子は食べずに泣くようなのです。
私も息子に「食べたくないなら食べなくてもいいよ」と伝えているのですが、やはり食べられるようになってもらわないと困ると考えています。どうしたら、以前のように給食を食べられるようになるのでしょうか。

A

:食べることは重要なことなので、お母さまはご心配でしょうね。けれども大丈夫です。何の心配もいりません。園で給食を食べなくても、家で食事をとれるのならどうということはありません。お母さまがそのように、ゆったりかまえることで、自然に問題は解決していくでしょう。
:給食を食べて吐いてしまったことから、給食を食べなくなり、園へ行くことも嫌がるようになったそうです。
:お子さんにとって、吐いたことはとても苦しく、大人の想像以上の体験だったのでしょう。給食を見れば、また吐くのではないかと不安に思うのでしょうし、園に行けば給食の時間があるのですから、園自体に行きたくないと言い出しても不思議ではありません。
:給食の時間には担任の先生が、無理しないようにと言葉をかけながら、そばについていても、お子さんは食べずに泣くようです。
:周りがいくら「無理しないで」と言っても、それは食べることを前提にした言葉がけですから、お子さんは課題を突き付けられたようで、かえって辛いのだと思います。良かれと思ってのことでしょうが、結果的には、追いつめてしまっているように感じます。
:お母さまは、やはり給食を食べられるようになってもらわないと困る、と考えていらっしゃるようですが。
:お気持ちはよくわかりますが、焦ってはダメです。
園での給食は、みんなと一緒に席に座るだけで良しとして、お子さん自身から食べ始めるまで、放っておいて頂くようにすることです。他のお子さんと同じように始めて、食べても食べられなくても、時間がきたら終わりにしてもらうのです。
給食を食べずに帰宅した日のお子さんは、きっとおなかをすかせていることでしょう。そうしたらお母さまは、
「○○君、園でたくさん遊んでお腹すいたでしょう。さあ、一緒にごはん食べましょうね」
と、ご自宅で栄養的で楽しい食事をとることです。そして、決して給食のことは話題にしないことです。どんな言葉がけをしても『給食を食べてほしい』という願望がある限り、お母さまのイライラもお子さんの不安もなくなることはないからです。
活力的な遊びをしているうちに、いつかきっとお子さんはおなかがすいて、給食を食べ始めるでしょう。根気のいることですが、それまでは、焦らずに待っていることが一番です。成長と共に、そんな時もあったわねと笑って思い出される日が来ると思います。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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