「抱っこして」と甘える子どもについて ▶小5男児・2歳女児のお母様より

Q

年長組に通う娘は、友達と仲良くしているようですが、園では色々とトラブルもあるようです。
娘は、園から帰宅すると「今日は☆☆ちゃんが、遊びに入れてくれなかった」「私は○○ちゃんと2人で遊びたかった」「3人で遊ぶのはイヤ」「△△ちゃんが入ってくると、3人になっちゃうから仲間に入れてあげたくない」など、私に話します。『お友達を仲間に入れたくない』というのは、娘の正直な気持ちなのでしょうが、何だか寂しく感じてしまい、「どうしてそんなことを言うの!?」と叱ってしまいました。女の子なら、こういったことは、大きくなってもよくあることなのでしょうが、今後どのように娘に接していったらいいのか悩んでいます。

A

:2歳といえば、一番甘えたい時期ですから、昼間、園で過ごしている分まで甘えたいのでしょうね。
:小学校5年生の息子さんがいて、みなさんで娘さんを可愛がっていらっしゃるようです。
:お子さんにこれだけ年齢差があると、それぞれのお子さんへの対応が違ってきますから、お母さまはきっとお忙しいことでしょう。いくら息子さんが面倒見てくれていても、2歳くらいのお子さんですと、お母さまでなければならないことも多いでしょうし、お仕事もされているとなれば、お母さまの日々の慌ただしさは目に見えるようです。
:娘さんは、家に帰ると「抱っこして」と離れないそうです。
:夕方はお母さまもお疲れになっているのでしょうが、お子さんも保育園での一日の生活に疲れ切っているのでしょうね。そして、お子さんにとっては、体力的にも情緒的にも、お母さまの抱っこが一番安定するのでしょう。
抱っこしてあげていても、他の仕事があったり、息子さんの勉強があったりで、お母さまが『抱っこをすることだけに専念する』時間をとれないのでしょう。それでつい、娘さんのことは二の次になってしまうのでしょう。それでは、満足させることは難しいのかもしれません。いつまでも抱っこを求めてしまうのも無理はありません。思い切って『この子の抱っこを第一にして充分に甘えさせてあげる』時間を作ると、だんだん抱っこしなくてもお母さまのそばにいるだけで安心するようになると思います。
:お母さまは、わざと私を困らせているのではないかと感じてしまう、とのことですが。
:それは、違うと思います。お子さんは、情緒が安定しないことや、満足できないことを、一生懸命伝えようとしているのだと思います。きっと気持ちのすれ違いが、お母さまにそのように感じさせているのでしょう。
:抱かずに降ろすと大泣きするようです。
:お子さんは満足できずに泣くのですから、どうしたらその気持ちを満たしてあげられるかを考えてみることです。きっと、短い時間の抱っこであっても、お子さんを第一に考える気持ちになれば、安定して泣かなくなると思います。
:常に抱っこかおんぶをして過ごしている状態なので困っています、とのことですが。
:お母さまが疲れていたり、忙しかったりすると、大変に感じる時もあると思います。けれども、お子さんを『困った子ども』だと思っていれば、それはお子さんにも伝わってしまいます。
「かわいい○○ちゃん、今日も頑張ってきたのね。お母さんも○○ちゃんのことを抱っこしたかったわ」
というようなことを言って、視点を変え、気持ちを切り替えて、抱っこやおんぶをしながら過ごすと、お子さんもお母さまも気持ちが楽になってくるでしょう。そんなふうにして、2歳の可愛いお子さんの子育てを楽しみながら関わっておいでになるといいでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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