頑固な1歳児について ▶1歳男児のお母様より

Q

私は仕事をしているので、息子は保育園に通っています。先日お迎えに行った時、息子はちょうど、お友達とおもちゃを取り合っているところでした。先生が、同じおもちゃを持って来て下さったのに、息子は取り合っているおもちゃが欲しいと、手を離しませんでした。先生に「息子はいつもこんな感じですか?」と聞くと「まだ1歳ですから、こういうことはよくありますよ」とのお答えでした。
私からすると、息子はずいぶん頑固に見えます。こういう場面には親として、どのように接したらいいのでしょうか。

A

:1歳であるこのお子さんの姿は、実に普通の姿で、お聞きしていると楽しくなるほどです。「我を張り通す」時期ですから、自分が欲しいと思ったものを欲しがることは、当たり前のことです。
: 先生が同じおもちゃを持って来たのに、どうしても『そのおもちゃ』を欲しがったようです。
:自分のやりたいことは、なんとしてでもやり通したいと思うのが、この年齢の子ども達の『我を張る』ということです。大人の感覚で言う『頑固』とか『性格がきつい』ということとは異なります。
『あのおもちゃで遊ぶ・あれが欲しい』と、子ども自身が決めたことなら、それを通させてあげなければ、気持ちはおさまらないでしょう。そして、相手のお子さんも、全く同じ気持ちなので、取り合いで大騒ぎになることは、当然と言えます。
: そんな時にはどうしたらいいのでしょうか。
: 「○○ちゃんの使っているおもちゃが欲しいのね?」
「分かった、分かった。でも今は、○○ちゃんが使っているから、お母さんが抱っこして、少し待っていましょうか」
「あのおもちゃは楽しそうね。同じもので遊んだことがあったわよね」
などと声をかけながら、お子さんの気持ちを静めてあげることが大切です。1歳ですと、まだ相手の子どもの気持ちまで、考えるに至りません。お母さまは、大騒ぎするお子さんに巻き込まれないで、この子はこうして、気持ちと世の中とに折り合いをつけることを学んでいるのだと、ゆとりを持って接していくとよいでしょう。
: 相手のお子さんのお母さまがいらっしゃった時には、どのように接したらいいのでしょうか。
:「こんな我を張っていて、すみません」
「○○ちゃん、ごめんなさいね」
と、どちらの子どもも否定することなく接することです。
一見、お子さんが頑固に見えることは、成長の証です。お母さまも、そのように捉えることで、お子さんの成長を楽しんでみてはいかがでしょうか。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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