自分の手や腕をかむ子どもについて ▶5歳女児のお母様より

Q

年長組に通い始めた娘の様子が、少し変わって来たようで心配しています。園では年長組になると、新しい課題があるらしく、それがうまくできないと、娘は自分の手や腕をかむことがあるようです。家でも同じように、折っていた折り紙の折り方が途中でわからなくなったりすると、手をかんでしまいます。
今まで、こんなことはなかったのですが、最近こんな調子で心配しています。担任の先生に伺ったところ、製作活動中や、鉄棒をしている時にもあったとのことでした。こういった時には、娘にどのように接していったらいいのでしょうか。

A

:緊張しやすい、賢いお子さんのようですね。ご心配のお気持ちはとてもよく分かりますが、こういったことは、指しゃぶりと同じで、自分の精神を安定させるためにしているのでしょう。
: 新しい課題に取り組む時、それがうまくできないと、自分の手や腕をかんでしまうそうです。
:幼稚園も保育園も、子どもの発達援助が、大事な専門のひとつにありますから、遊びをはじめ、いろいろな活動の中に、発達の課題は必ず配慮されています。その課題に、お子さんが真剣に取り組んでいる証拠ですから、心配なさることではありません。
: 家でも、折り紙などが難しくなると、手をかんでしまうようです。
:「できない」とすぐ投げ出したり、誰かに聞いたりしないで、頑張って自分でチャレンジしている姿ですから、頼もしいとも言えるでしょう。
: 担任の先生に伺ったところ、製作活動中や、鉄棒をしている時にもあったとのことですが。
:かむことは、自分を確かめ、緊張をほぐす行為ですから、そういった時こそ、見られるでしょう。
: どのように接していったらいいのでしょうか。
:先ず、やりたいと思っていることを認めてあげて、そのうえで、緊張をほぐしてあげる言葉掛けをすることです。子どもがやっていることの違う見方を伝えたりすることもいいでしょう。
折り紙をしていたら
「うわぁ、難しそうね!何を折っているの?」
と聞いてもいいでしょうし、
「そんなところまでできたの?すごいわね!」
「お母さんにも、折り紙折らせてくれる?」
というふうに、お子さんに一息入れさせてあげることです。
: 腕をかんでいるところを見たら、どうしたらいいでしょうか。
:そのことについては触れず、心を休める言葉掛けをしたうえで
「あら、手を痛くしちゃったの?」
「きっと一生懸命になり過ぎたのね。痛かったわね」
と、あまり重大視はしない方がいいでしょう。お子さんは、自分で気がつくはずです。しばらく、かむことは続くかもしれませんが、成長共に自然になくなっていくでしょう。お母さまは、騒ぎ立てずに、さりげなく気付かせることに努めて、見守っていることが大切です。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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