子どもが愛おしすぎて離れられない母親について ▶3歳女児のお母様より

Q

初めての入園です。その娘のことが大変愛おしく、自宅ではもちろん、出掛ける時にはいつも一緒の状態です。買い物や病院、美容院などへ行く際も、娘を誰かに預けることなく、常に一緒に行動してきました。
ただ、最近、二人目の赤ちゃんを授かったことがわかり、少し不安になっています。娘は現在、私から離されると、泣いて嫌がるようになってしまいました。周囲の大人も、これでは困ると心配しています。今後、娘にはどのように、対応していったらよいのでしょうか。

A

:お子さんがかわいいという、お母さまのお気持ちは、とてもよくわかります。
: お母さまとお子さんは、どこへ行くのにも一緒のようですね。
:入園前ですし、それは自然なお話だと思います。むしろ、誰か他の人に預けることなくやって行けることを喜んだら良いと思います。
: ご相談では、二人目の赤ちゃんを授かったということですが。
:お母さんから一時も離れられないお子さんが、お姉さんに自立していくために、赤ちゃんを授かったことは、とてもよいチャンスだと思います。
「あなたのような、かわいい赤ちゃんがまた生まれるのよ」
「○○ちゃんはお母さんのおなかの中にいたのよ、知ってる?」
「またその同じおなかの中に赤ちゃんがいるのよ」
「あなたは、お姉ちゃんになるのよ」
「○○ちゃんは、どんなステキなお姉ちゃんになるかしらね」
「きっと世界一のやさしいお姉さんでしょうね」
「赤ちゃんが泣いたら、お母さんを助けてね」
「赤ちゃんは、○○ちゃんと姉弟になれることを楽しみにしてるのでしょうね」
「一緒にどんなことをして遊ぼうかしらね」
こんな言葉がけを、赤ちゃんがまだ生まれる前に、お子さんにしてあげることで、想像の世界の中で、赤ちゃんと関わり、心の準備を重ねることができます。こういったことを続けていくと、自分をひとりの人として認識するようになると共に、他の人と関わっていく準備にもなるはずです。
: その時、不安を訴えたり、赤ちゃんなんかいらないなんて言ったらどうしたらよいですか。
:「大丈夫。お母さんのこのお腹はひとつでしょ?このひとつのお腹から生まれてくるのよ。その赤ちゃんは、一生○○ちゃんの、世界にたったひとりの姉弟になるのよ。
「赤ちゃんは、○○ちゃんを一番好きになるし、『お姉ちゃん、お姉ちゃん』って言って、いつも一緒にいたいというわよ」
「でも、あなたがお母さんとお父さんの一番はじめの、とてもとても大切な子であることは変わらないわよ」
という風に、一生懸命話しかけて安心させてあげることです。
: お母さまから、離されると泣いて嫌がるということですが。
:今は、多少そんな不安定な時かもしれませんが、やがて出産ともなれば、必ず一時離れなければなりません。ですから、最近は、子育て支援センターのようなところが、いくつもありますから、お母さまとお子さんと連れだって、遊びに行くことをお勧めします。お母さんとふたりの世界だけじゃない世界があることを、お子さんに知らせることが、とても大切です。お友達や他のお母さんとのつながりを得ることで、すこしずつお母さま以外との人とも楽しく過ごせるようになるでしょう。愛情いっぱいに育てられたお子さんなので、きっと愛し方を知っているでしょうから、お友達いっぱいのステキなお姉ちゃんになるでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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