気に入らない事があると噛みつく子どもについて ▶3歳女児のお母様より

Q

年少組に通っている娘は、とても元気で男の子のような所があります。元気なことは良いのですが、時々、園のお友達に噛みついてしまうことがあるようです。例えば、気に入らない事があったり、自分の欲しいものを貸してくれなかったりすると、パクッと噛みつくようです。「噛んだらいけない」と私はもちろん、主人も、園の先生も注意していますが、なかなか直りません。どうしたら、噛まなくなるでしょうか。

A

:エネルギッシュで、自分の欲求をしっかり持っているお子さんですね。
3歳くらいですと、こういった話はよく聞きます。
: 気に入らない事があったり、欲しいものが手に入らなかったりする時に、お友達に噛みついてしまうそうです。
:活力的な性格の問題もありますが、自分の欲求を、まだ言葉でうまく表現できないために、そのような行動に出るのでしょう。『すぐに噛んでしまう』という現象だけをご心配なさらないで、
『この子にはやりたいことがこんなにあるのだ』
『とても積極的に生きているのだ』という受け止め方を、まずなさるといいと思います。
: どうしたら噛まなくなるでしょうか、とのことですが。
:先ず、噛んでしまった時に、お子さんの思いをかわりに表現してあげることが大切です。
「○○ちゃん、これが欲しかったのね?」
「○○ちゃん、これがしたかったのね?」
「でも、そう言えなくて噛んじゃったの?」
といった言葉かけで、お子さんの気持ちを認めて受け入れて、情緒を安定させた上で、叱るというより
「噛まれたお友達が、痛い痛いって言ってるけど、ごめんなさいって言えるかな?」
「○○ちゃんも噛まれたら痛いよね?」
「痛いのいやだよね?」
と、自分がしたことが、どんなことかわかるように、話してあげることです。
このような経験を繰り返していくうちに、自分の気持ちと同じ物ものを他の子も持っていることに気付き、また言葉も増えて、だんだんと噛むことも減ってくると思います。
次に、お子さんの体の内にみなぎるエネルギーを発散させるために、体を使う遊び、例えば、走ったり、ボールを投げたり、ちょっとした段差を飛び降りたり、活力的な遊びを取り入れることも大切です。
そのほかにもお家でお母さまが、お子さんにお手伝いをお願いすることが、コミュニュケーション能力を高め、言葉の発達にもつながります。
「元気な○○ちゃん、ちょっとお母さんのお手伝いして下さい」
「このお皿、落とさないように気をつけて、テーブルに運んでくれる?」
「スプーンを、お父さんのお席においてくれる?」
「お母さんのコートを持ってきてくれる?」
など、本当に小さなことをお願いするのです。本物のお手伝いを期待しないで、後でお母さまがやり直しに負担にならないようなことをお願いするのがコツです。
遠回りのようですが、このようなことを繰り返していくうちに、自分の行動をコントロールできたり、自信がついたりしてきて、噛むこともなくなってくると思います。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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