年長の子を怖がる子どもについて ▶3歳女児のお母様より

Q

年少組に通う娘は、風邪をひくと、鼻をたらすことが多くなります。自分ではまだうまくかめないため、仕方ないのかもしれませんが、先日、園で年長組のお兄さんに「きたない」と言われたようです。娘には「お兄ちゃんは、教えてくれただけなのよ」と声をかけたのですが、ショックだったようで、園のお兄さんを怖がるようになってしまいました。どうしたらいいのでしょうか。

A

:風邪をひきやすい時期には、鼻水の出ているお子さんをよく見かけます。3歳ではまだ幼く、このようなこともあるのでしょうね。
:年長の子に「きたない」と言われたそうですが。
:活力的な年長児ですと、幼い子の気持ちが分からずに、遠慮のないことを言ってしまうことがあるかもしれないですね。
:それがきっかけになって、お子さんが、お兄さんを怖がるようになってしまったようです。
:いつもご家族の優しい眼差しを受け、可愛がられて育ったお子さんにとって、外の人の乱暴で無遠慮な対応には、驚いてしまうでしょう。まして、活力的な男の子が近くで自分を見ていったのですから、どうにもならない怖さを感じたのでしょうね。
:「お兄ちゃんは、教えてくれただけなのよ」とお母さまは声をかけたそうですが。
:3歳のお子さんには、そのような理屈は通用しないでしょう。『怖い』という感情は、理屈ではぬぐえないものです。怖がらせないためには、無理に怖いものに関わらせない事と、『自分を守ってくれる安全な場所』があることを、お子さんに意識させてあげることです。
:それは、具体的にはどういったことでしょうか。
:お子さんが、園で安心して過ごせるように、園の先生にお願いすることです。その時、誰が加害者だとかいうような言い方ではなく、さりげなく、今こんな状態なんですと、事実を伝えるだけで、事を荒立てないように注意することが必要です。きっと、先生はそのようなお子さんがいることを承知していて、上手に対応して下さるはずです。
その上で、お母さんがお子さんの怖がる気持ちを受け止めて 「大丈夫よ。先生にお願いしておいたから。怖かったら先生のところにいらっしゃい。園が終わったらお母さんが、急いでお迎えに行きますからね」
とそんな前向きな関わりをしているうちに、本当はすこしも怖い事なんかないんだと、お子さん自身が気がついて、自然に乗り越えられるでしょう。
そうしたことと共に『汚い』と言われたことへの対応を、このことをきっかけにしてあげることです。
「○○ちゃんが、ステキな女の子になるように、お母さんとお鼻が出た時にキレイにする練習をしましょうね」
と鼻をかむ方法を丁寧に教えたり、自分で始末できるように、柔らかくて可愛らしいティッシュペーパーを用意して、持たせてあげたりすることも大切です。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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