夏休み明けから登園を嫌がりだした子どもについて ▶5歳女児のお母様より

Q

年長組に通う娘が、夏休み明けから、園に行く事を嫌がるようになりました。理由は分かりませんが、お家に居るのがいいようです。これまで、登園を嫌がることはなかったので、この対応で良かったのか分かりませんが、3日間休ませました。
園の先生には「泣いても大丈夫なので登園させてください」と言われるのですが、私の方が切なくなってしまってできません。けれど、このままずっと嫌がって、小学校に行けなくなっても困ります。どうしたらいいのでしょうか。

A

:夏休み中の生活が、お子さんにとってよほど心地よかったのでしょうね。もしくはお子さんも夏の疲れがでて、規律正しい生活のリズムに戻ることが不安になったのかもしれません。
お母さまにとっては、このような甘えを受け入れてあげられるのも、ひとときの楽しみかもしれませんが、お母さま自身が不安になり始めたので、きっと峠をこせるかと思います。
:登園を嫌がるので、一応休ませたそうですが。
:子どもは誰でも、先の見えない物が不安になって、できれば今のままが安心だと思うことがあるのでしょう。休ませたことは、ひとつには良かったのかもしれません。お子さんはきっと、お母さまに自分の要求が受け入れられたことで、ひとまず安心したことでしょうから。
:園の先生には「泣いても大丈夫なので登園させてください」といわれたそうです。
:園に来れば、生活への適応ができると信じて、先生もそのようにおっしゃったのでしょう。それは、間違いのない助言だと思います。
:お母さま自身が、切なくなってしまうようですが。
:我が子が泣くことが、耐えられないのですね。初めてのお子さんをお持ちの、お若いお母さまなのでしょうか。お気持ちはとてもよくわかります。
ただ、そんなやさしいお母さまだからこそ、お子さんの背中を思い切って押してあげるといいでしょうね。
:どういうふうにしたらよいのでしょうか。
:「お母さんと一緒に、夏休みみたいな生活をずっとしていたいっていう、あなたの気持ち、お母さんにもとってもよくわかるわ」
「でも園のお友達はきっとあなたと遊んだり、お話ししたりしたいって思ってるわよ」
「それにこれから園では、運動会の練習や、もっといろいろ楽しいことがあると思うのよ」
「もし何か困ったことがあったら、なんでもお母さんに教えてね」
など、期待を持たせる事や、不安を取り除く事、お子さんと誰かとのつながりをもたせるような言葉をかけることが、背中を押してあげることにつながると思います。
:お子さんがずっとこのままで、小学校にも行けなくなったら困ると、お母さまはご心配されているようですが。
:昨今、登校拒否などの社会問題もありますから、お母さまが先の事を心配なさることは、分からないでもありません。ただ、あまり先のことを心配されると、かえってお母さまの不安が、お子さんを不安にさせることにもつながりますので、まず一足踏み出す勇気をお持ちになることです。そうすると、お子さんも、お母さま自身も、どんどん世界が広がるでしょう。
お母さまはぜひ希望を持って、迷わずに、お子さんを園に行かせるのだと覚悟を決めて取りかかって下さい。
園の先生には「今日は娘が泣いていて、ご迷惑をおかけするかと思いますが、よろしくお願いします」といってしまうと、案外お子さんもケロッとして元気に返ってくるでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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