給食が嫌で園に行きたがらない子どもについて ▶3歳女児のお母様より

Q

園に通い始めて2カ月が過ぎ、園生活にも少しずつ慣れ始めた娘ですが、給食が苦手なようで気になっています。
入園前から、好き嫌いは多かったのですが、それに加えて娘は、たくさんのお友達と一緒に食事をすることが、あまり好きではないようです。
私が、毎朝のように「給食をたくさん食べてきてね」と声をかけ過ぎているせいなのかもしれませんが「給食が嫌だから園に行きたくない」と言うようになりました。どのように対応したら、よいのでしょうか。

A

: 食事嫌いなお子さんは、本当にたくさんいますし、私自身も子育て中は大変悩みましたので、お母さまのお気持ちは、とてもよくわかります。
:給食が苦手なお子さんのようですね。
:まだ、園に入ったばかりの3歳のお子さんですから、なかなか周りと同じペースで食べられないことで、子どもなりのコンプレックスを感じているのでしょう。
:好き嫌いも多いとのことですが。
:好き嫌いというのは、いろいろ食べてみてからの話ですから、あまり食べないお子さんでしたら、やはりまず、『食事することへの重荷』からの解放を考えてあげるとよいと思います。
私にも経験がありますが、親としては、子どもがご飯を食べないと、こんなことでちゃんと育つのだろうかとか、病気への抵抗力がなくなってしまうのではないかとか、本当に心配になりますよね。あまり気にしすぎなくても大丈夫ですよという、お医者様の言葉でさえも、私は、すんなりとは受け入れられなかったほどです。
でも、食事のことで苦しむことから少し視点を変えて、楽しみを中心に毎日を過ごしていくことが、良い結果につながるものです。お子さんから園での様子を聞く時にも、例えば、お子さんが得意なお絵かきや、砂遊びなどの話を聞くことで、お子さんもお母さま自身も、給食から解放されていくと思います。園生活の様子を細かく聞き出すというより、さりげなく、他のことに気をそらして、自信を持てるようにすることです。
そして、お母さま自身が、3回の食事をきちんと食べるとか、お行儀よく食べることより、今元気でいることに、安らぎを得ようとすることだと思います。
そして、食べなければ生きていけないのでは、という深刻な心配から解放されるためには、いつでもどこでも少しでも、食べていればよいとまで思ってしまう事です。そのために、ご家庭ではいつでもお子さんに対応できるように、食べるものを用意しておく事です。ちょっとでも構いませんから、可愛いコップに、少しのミルクだとかビスケットの小瓶など、思わず手が伸びるような工夫も、楽しいものです。食べやすいものが、手近にあると、気がつくと、どこかで少しずつ食べている事があります。
また、食べる量の感覚が、大人と著しく違っていることに、気付かされることもあります。
:「給食が嫌だから園に行きたくない」と言うようになったそうですが。
:やはり、お子さんがご飯嫌いだという事を受容して、園の先生と相互に共通理解をしながら対応していくことが、必要になってくると思います。
園では、給食をきちんと食べさせることが、責任だと思って悩んでいるでしょうから、
「うちの子は、ごはん嫌いで、ご迷惑をお掛けしてすみません。たべないようでしたら、お気になさらず、皆さんと一緒に片付けてしまって下さいませんか」と伝えて、先生の負担をなくすことから始められるとよいと思います。
お子さんには、
「給食は、食べられるだけでいいのよ。先生にも、そう伝えてありますから、安心していってらっしゃい」
「元気に遊んで帰ってくるのを、お母さん待っていますからね」
といって、こだわらずに送り出してあげるといいでしょう。そのうちに、だんだん遊びが広がり、体力もついて、気がつくと食べることに、親子共、それほど、とらわれなくなってくるという日が来ると思います。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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