転びやすい子どもについて ▶5歳女児のお母様より

Q

運動会も無事に終わり、私もホッとしましたが、娘のケガについて気になっています。転びやすい娘は、毎日のように転ぶため、膝が傷だらけになっています。運動会の練習など、体育的な活動が多かったこともありますが、一日に何度も転ぶ日もあるため、いつまでたっても傷が治りません。
少々、内股であることを除けば、脚の形などには問題がないように見えるのですが、何か転びやすい原因があるのでしょうか。

A

:活力的なお子さんなのですね。これは、気持ちと運動能力とのバランスが上手くとれないための現象でしょう。
:毎日のように転び、一日に何度も転ぶ日もあるようです。
:お母さまが、お医者様に連れていっていないのだとすれば、特別、病的ということではないのでしょう。元気過ぎる男の子に生傷が絶えないことと同じようなお話なのでしょう。
こういったお子さんは、いますよね?
:います。興味や関心が向くと、パッと行動に移してしまうようなお子さんは、やはり、足元などの確認をする暇がないので、つまずいたり転んだりしてしまうようです。
女の子ですと、スカートなど膝が出ている服だったり、走りにくい履物だったりすることもあるので、園では、運動会シーズンには特に、動きやすい服装や履物をお願いしています。
:そういえば、転ぶのも無理ないと思われるような、長いスカートや、危ないと思われるようなサンダルを履いているお子さんもいますよね。おしゃれの方が心を捉えているのでしょう。けれども、女の子は特にケガが多いと心配でしょうね。
:このお子さんも、転びやすいと言うことで、お母さまはご心配のようです。
:転んだりケガをしたりすることは、子ども自身が、どうすれば毎日の生活に適応できるかを学ぶ機会になっているものです。お母さまは
「あらぁ、これはきっと痛かったわね。どこで転んだの?」
「どうして転んでしまったのかな?」
といった言葉がけをしながら、お子さんと一緒に、転んだ場所や状況から、対策を考えられるといいでしょう。
家族のケガの治療は、お料理や洗濯などの家政のひとつです。お母さまは、消毒や薬の選択などをしっかりなさって、悪くならないように気をつけながら、お子さんの成長を見守られることにつきると思います。
お子さんもきっと、その関わり方を学んで、将来自分の子どもにも愛情を持って同じような対応をすることでしょう。 :何か転びやすい原因があるのでしょうか、とのことですが。
:運動機能や、脳に関することでしたら、やはりお医者様にいかなければわかりません。お子さんが、意欲的で活力的であるためによく転ぶとすれば、お子さん自身が学んでいる過程だとお考えになることです。
ケガが一定の生理的経過を経なければ治らない事と同じように、子どもがどうしたら、ケガ無く楽しく遊ぶことができるかを学ぶにも、時が必要です。
運動嫌いになったり、入院が必要なほどの大ケガをしたりしないように、園の先生とよくご相談なさって、励ましながら関わっておいでになるとよいと思います。こうしたお母さまの優しい関わりは、きっとお子さんの心に残ることでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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