ルールが守れない子ども ▶5歳男児のお母様より

Q

我が子は、元気で落ち着きがなく、わんぱくな男の子です。公園で遊んでいる姿を見ていると、他のお子さんに比べてうちの子はルールが守れないなと感じ、気になっています。
例えば、友達と一緒に公園でサッカーをしている時、ボールがラインから出てしまったら、スローインになるのに、ラインから出てないと言い張ったり、ブランコを20回こいだら次のお友達の番なのに、余計に2回くらいやらないと譲らなかったりします。
こんな息子の行動を、いつものことだと許してくれている友達がいるうちはいいのですが、クラス替えがあったり、新しいお友達ができたりするとどうなるのか、心配です。

A

:真面目なお母さまと、活力的なお子さんですね。きっと、お子さんのこのエネルギーが、道徳的なものを身に着けるためのちからになると思います。
:お友達と遊ぶ時に、ルールを守れていないお子さんのことをお母さまは気になさっているようです。
:わんぱくなお子さんは、活力的でエネルギーが有り余っていますから、余分に遊びたいに決まっています。めちゃくちゃに遊んでルールのことなんか、忘れてしまうことだってあるでしょう。
また、他のお子さんもルールが守れているかと言えば、50歩100歩で、あまり変わらないと思います。このくらいの年齢の子ども達は、遊びながら、互いに正しいことを発見していくのです
:お母さまはどのように接していったらいいのでしょうか。
:『ルールが守れない』と、あまり深刻に考えすぎないことが大切です。望ましい生活習慣を身に着けて、道徳性の発達を促す時期ですから、ちょっとした子どもの過ちを叱って傷つけても何にもなりません。

「あ!あなたがブランコをみんなより2回多くこいだの、おかあさんわかっちゃったわ~」
「間違えちゃったの?次から気をつけてね」とか
「みんなで約束したなら、ブランコ遊びはちゃんと20回で終わった方が、お母さんはカッコいいと思うわ」など
お子さんの感情を傷つけないで、『ルールを守らないのは恥ずかしい』と思わせる言葉がけを考えてみることです。
こういったことを、何度か繰り返していくうちに、お子さんは
「お母さんは、僕がこういうことしたら嫌なのだな」
「僕がこういうことをしたら、お母さんは喜んでくれる」
と、お母さまの悲しみや誇りにも気づいていくことでしょう。
そして お母さま自身が日頃から、いい加減なことを言ったりブレたりすることなく、正しい生き方をなさることで、お子さんもきっとそこからも多くを学んでいくと思います。

:こういった行動を許してくれている友達がいるうちはいいけれど、新しいお友達ができたらどうなるのか、心配だということですが。
:新しいお友達から「ブランコ2回も多く遊んでずるいよ」と言われる経験も、お子さんにとっては、決してマイナスではないはずです。お友達からの厳しい指摘は、きっとお子さんを成長させてくれるでしょう。ルールを守ることで、もっと楽しく遊べるのだということを発見できる日が来るはずです。
お母さまは『ルールを守れるようにならなければ』と焦らずに、もっと寛容におおらかに、お子さんの成長を受け止め、その過程を楽しむといいでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
Copyright(c) Yamanashi Gakuin University. All rights reserved.