パワフルな子どもの叱り方について ▶6歳男児のお母様より

Q

息子は元気でわんぱくな年長児です。園が夏休みに入り、息子のわんぱく度もパワーアップして、私の手には負えません。
外出すると騒ぐし、散歩に行くと道に飛び出すし、「危ないから、ダメ!」と叱っても効き目がありません。
主人からは「おまえがちゃんと叱らないからいけない」と言われるのですが、どのように言ってきかせたらいいのかよくわかりません。何でもかんでも「ダメ」と怒ることも違う気がするのですが、どのように叱ったらいいのでしょうか。

A

:6歳のお子さんのエネルギーを止める力など、誰にもないでしょうから『手に負えない』というお母さまのお気持ちはとてもよくわかります。しかし、これはとても大切な問題でもあるのです。
: お子さんは、外出先で騒ぐようです。
:『人に迷惑を掛けてはいけない』ということを、日常的にいつも言われていれば、それはしないはずです。お子さんが落ち着いている時に『どんな時にどんなことをされたら自分はイヤに思うか』を聞いてみて下さい。たいてい子どもは正解を言えるでしょう。もし、言えないようならお母さまが教えてあげて下さい。
: 散歩に行くと道に飛び出すようです。
:そんな時に、声だけで叱るのは、自分も子どももうんざりしてしまいますよね。  6歳の子どもの力を利用して、ぶれることなく一貫して、約束を守らせることと、親としての姿勢を示すことが大切です。   T  具体的にはどうしたらいいのでしょうか。
:危ないことと、人に迷惑を掛けることを、子どもがした時を捉えて、具体的に、どんなに怖いか・どんなに危ないか・どんなに迷惑な事かをきちんと認識させ、子ども自身の意思で、自分を制御できるようにトレーニングすることが大切です。
その時、子どもの想像力を刺激するように、痛いこと、恐ろしいことなどを具体的に話し、自分で自分の身を守る方法を考えさせることです。落ち着いて物事を考える機会にもなるでしょう。
: それでも危ないことをした場合には、どうしたらいいでしょうか。
:外出先でしたら、ただちに家に帰るとか、子どもの楽しみをその場で取り上げてしまうことです。お母さまは、お子さんが泣いても騒いでも譲らず、親として一貫した態度を示すことが大切です。厳しく接しているようでも、愛情を持って真剣にすることならば、子どもはいつか納得できるはずです。
: ご主人からは「おまえがちゃんと叱らないからいけない」と言われるそうです。
:ご主人はきっと、お母さまが単に「ダメ」とお子さんに言っている場面を見て、そうおっしゃったのでしょう。何故ダメか、どうしてダメなのかを伝えなければ、子どもにはよく分からないのだということを、心に留めて置かれるとよいと思います。
どうしてダメなのか話したら、子どもの言葉でもう一度、ダメな理由を言わせることを繰り返します。すると、だんだん常識的な考えや行動が身について、パワフルなお子さんほど、素晴らしく伸びていくと思います。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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