チャイルドシートを嫌がる子どもについて ▶1歳女児のお父様より

Q

元気で活発な1歳半の娘は、車のチャイルドシートに、じっと座っていてくれません。毎朝、通勤前に40分ほどかけて保育園に送るのですが、走行中、運転席の母親にしがみつこうして、チャイルドシートから身を乗り出すのです。それをやめさせようとすると、ひどく泣くので、なだめるのに大変です。運転の邪魔をしないように、しっかりとシートに固定すれば良いのでしょうが、それも嫌がるので、困っています。娘にとっては、乗車時間が長すぎるのかもしれません。どのように対応したら良いでしょうか。

A

:お言葉通り、大変健康的で、元気なお子さんのようですね。
子どもが、チャイルドシートを嫌がるなんて、まったく普通のことで、嫌がらない方が不思議なくらいです。まして、1歳半という幼さでは、チャイルドシートに座らなければならない理由も理解できないでしょう。
:毎朝、お母さまが保育園へ送り届ける際、シートにじっとしていないそうですが。
:安全第一ですし、毎日のことですから、お互いに安心して通える方法を考えることですね。
まず、通勤にかける時間を5分だけ余計にとる事ですね。
出掛けにお子さんをしっかり抱っこして、チャイルドシートを友達と見立てて
「チャイルドシートさん、今日も大事な○○ちゃんをよろしく」
「はーい、わかりました」
と言って、お子さんのお気に入りのおもちゃか人形も一緒に座らせます。楽しい音楽もかけると良いでしょう。そして「では、出発しまーす」と言ってスタートするのです。ごっこ遊びのやり方です。これは、心と時間にゆとりがあれば、ほんの1、2分でできることです。
:運転中のお母様に、身を乗り出してしがみつこうとするようですが。
:きっと、飽きてしまったのでしょうね。これも、健康なお子さんの、持続時間の限界を超えた証拠ですね。40分という通園時間は、とても長く、例えば、面白く工夫されたテレビ番組ですら、見きれない時間です。途中、ほんのわずかでも、休憩の時間をとることが必要です。
:ひどく泣くので、なだめるのに大変なようですが。
:泣くのが子どもの言葉ですから、泣いて当たり前なのでしょうけれども、お母さまも、何と言ってなだめたら良いか分からないのでしょうね。
こんな時は、ちょっと車をとめて、お子さんをシートから下ろしてしっかり抱っこしてあげてから、また出発するという方法が、一番良いかと思います。お子さんは、自分の要求が受け入れられたことに安心して、またシートに座ることを受け入れるでしょう。ほんの、1、2分の抱っこで充分です。このゆとりがポイントです。
「○○ちゃん、疲れたのね。じゃあ、はい、ひと休みの抱っこチューです。良い子にお座りしてたわね、おもちゃのくまさんも抱っこしてあげましょうね。それじゃ、はい、また出発でーす」
こんな風に、自分も楽しむように接すると、まったく違った結果になると思います。
チャイルドシートは、始めからしっかりと子どもを固定していなければ、安全面での役割は果たせません。子どもが我慢してでも座れる時間の限界を知ることが大切です。それにはわずか5分でも、心の余裕と遊びの工夫が必要です。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
Copyright(c) Yamanashi Gakuin University. All rights reserved.