担任が変わり今までとの違いに戸惑うお母様について ▶5歳女児のお母様より

Q

娘は年長組になり、担任の先生が変わりました。
これまでの先生は、娘が服を汚して帰って来た時などには『洋服を~で汚しました』と連絡帳に手紙を書いて下さっていたのですが、新しい先生からは、あまりありません。子どもに話を聞くと、先生には「お家に帰ったら自分でお話ししなさい」と言われているようです。担任の先生が変わると、やはりいろいろ違うのだなと、少し寂しく感じてしまいます。
園の先生とは、うまくやっていきたいとは思うのですが、これからの一年の間、どのように接していったらいいのでしょうか。

A

:新しい学年になると、子どももお母さまも、適応に時間がかかりますよね。お気持ちはとてもよくわかります。
:担任が変わって、今までと対応が違ったようですが。
:よくあることですよね。これまでの先生がたまたま、こまめにお家に連絡をする先生だったのかもしれませんが、年長組のお子さんなら、どうして洋服が汚れてしまったのか、お家の方に伝えることもできると考えたのでしょう。自分の言葉で説明することは、子ども自身の認識の発達にも役立ちますから、新しい先生の対応が、あながち不適切だとも言えません。
:そうですね。実際に私も、年長組を受け持つ時には、小学校入学を意識し、自立できるよう思いを込めて、それまでと関わりを変えていくことはあります。
年少組・年中組・年長組と、それぞれに発達の課題がありますから、先生の違いによる対応の違いというよりも、発達の課題による、関わりの違いだったのかもしれません。
ただ、お母さまには、担任の先生が変わるとやはりいろいろ違うのだな…という寂しさがあるようです。
:人との関わりは、いつも出会いと別れの繰り返しですから、作り上げた人間関係が終わることを寂しがるお気持ちはよくわかります。これからまた新たな人間関係を作っていくのですから、前の先生とのよい関わりを参考になさるとよいと思います。園でも小学校でも、永遠にそこで過ごすわけではないですから、後ろを見ないで前を見るようにお考えになることです。
:園の先生とうまくやっていきたいと思っていらっしゃるそうです。
:先生とうまくやっていこうというお気持ちも大切ですが、目的は、お子さんの健やかな生活と成長です。お子さんが、毎日を楽しく元気に過ごしていれば、それで良いとお思いになることで、ずいぶん多くのことが乗り越えられるはずです。
:これからの一年の間、先生とどのように接していったらいいのでしょうか、とのことですが。
:それは、とてもシンプルな事です。園への提出物の期限を守るとか、出席する時には遅刻をしないだとか、するべきことをきちんとしていくだけで良いでしょう。『君子の交わりは淡きこと水のごとし』という言葉がありますが、人間関係は、深入りしたり、必要以上の関わりを求めたりすると、お互いに傷つけ合う結果になるものです。特別な事など何もありません。
そして、園の先生方は、子どものことを大切に思っているという大前提を信じる事です。お母さまがそう思っていらっしゃると、お子さんにもそれが伝わり、きっと充実した園生活を過ごせるでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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