先生の指導の言葉が気になるお母さんについて ▶3歳男児のお母様より

Q

年少組の息子は、とても元気で、園でも先生のおっしゃることを聞かないことが、たびたびあるようです。
近々、お遊戯会があるのですが、きちんと練習をしないため「何度も言ってもわからないなら、もうやらなくていいって先生に言われた」と息子が話すのを聞きました。息子は、それほど気にしていないようですし、本当に園の先生が、そうおっしゃったのかもわかりませんが、私自身がその言葉に傷ついています。園の先生は、こんな言い方をしていいのでしょうか。

A

:初めてのお子さんなのでしょうね。お母さまの真剣さと真面目さが、よく伝わってくるご相談ですね。
:年少組のお子さんが、先生のいうことを聞かないことがあるようです。
:子どもが、何かに夢中になったり、他の事が気になったりする時、または先生の話に興味や関心がもてない時に、先生の声が耳に入らないような事は、よくあることです。無視しているとか、反抗しているとかでは、ありません。
:お遊戯会の練習もきちんとしないようですが。
:子ども自身が、自発的・主体的に取り組めないものに、真剣になる事はあり得ないでしょうね。
:お子さんは、何度言ってもわからないなら、もうやらなくていいと、先生から言われたそうですが。
:園の先生が、そのように感情的になるほど、子ども達に指導の内容が伝わらないことは、いくらでもあることです。
子ども達が興味を持って関われるような内容の、お遊戯会の演目を選ぶことは、本当に難しいことですし、いざ選んだとしても、皆の作品にするまでには、大変な時間がかかるものです。途中段階で子ども達に対して、このような叱り方をしてしまう若い先生がいたとしても、不思議ではありません。
:息子さん本人は、言われたことをあまり気にしていないようですね。
:本人が気にしていないのは、先生の叱り方についても、お子さん自身がそれなりに納得しているからでしょう。自分の態度の悪さが言わせた言葉だと、子どもなりにわかっているので、感情的に叱った先生を、受け入れているのだと思います。
:お母さまは、その言葉に傷ついたようですが。
:感情的になるほど、一生懸命に子ども達に関わっている先生なのでしょう。思うように指導できず、子ども達をどうまとめてよいのか、作品をどうしたら完成させることができるのか、途方に暮れて、注意する言葉まで、気が回らなくなっているのでしょう。若い先生にありがちな姿です。お母さまは先生の望ましい語りかけや説得を、期待しておいでだと思いますが、若い先生は、このような先生はこのような苦い経験を経て伸びていくものです。お遊戯会以外で、子ども達を突き放すようなことを言っていたら、子どもは園に行くのを嫌がるでしょう。お子さんが、気にしていないということは、お遊戯以外では楽しく過ごしている証拠ですから、のんびりと、見守っておいでになるとよいと思います。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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