はじめた習い事をやる気もなく、やめることもしない子どもについて ▶6歳男児のお母様より

Q

年長組に通っている息子は、本人の希望でサッカーを習い始めました。最初は楽しそうに通っていたのですが、今はやる気がなく、練習の様子をみていてもダラダラしていて、コーチに注意されることも多くなってきました。サッカー教室に行く支度を促すと「え~、行くの?」と、やはりやる気がない感じです。「つまらないならサッカーやめたら?」と言うと「嫌だ。やめない」となぜか拒否するので、結局続けています。どうしたらいいのでしょうか。

A

:サッカーが単なる遊びではなく、やらなくてはならない課題になってしまったための反応だと思います。自分の想像していた遊びではなくなってしまったため、楽しめなくなってしまったのでしょうね。お稽古ごとなどで、よくたどる道筋です。
:最初は、楽しそうに通っていたそうですが。
:習い事のようなものは、何でも始めは指導者が導入の心配りをしますので、幼い子どもでも期待に反する事は、それほどないものです。しかし、だんだん進んでいくと、自分のペースに合わなくなって、興味がわきにくくなるのでしょう。
:練習中にダラダラしていて注意されることもあるようです。
:サッカーの基本的な技術の根気よいトレーニングに、まだ付いていけないのでしょう。それに、選手になるとか、あの大会に出るというような目標を、お子さんが幼いために、持てなかったのではないでしょうか。
:お母さまが「つまらないならサッカーやめたら?」と言っても、それは拒否するようです。
:お子さんも、サッカーをする事が100%嫌なわけではないのでしょう。今やっているような、基本的なトレーニングを繰り返すことは苦手でも、本物のシューズや、ゴール、ボールを使った練習でしょうから、楽しい部分もたくさんあるのでしょうね。
「練習に行きたくないな」と思っている時に、大人から「それならやめなさい」と言われて「やっぱりサッカーに行く」と言う子どもの迷いは、とても大事なものです。迷いにはいろいろな要素があるものです。そういった繰り返しで主体性も身に付くはずです。
:お母さまは、どうしたらよいかとおっしゃっていますが。
:放っておいたらいいでしょう。やめるとか、続けるとか、あまり焦らずにお母さまは「どっちにするの?自分で決めてね」というように、お子さんの意思に任せながら見守ることです。
お子さんが、『自分にはサッカーが合わない・苦手だ』と思った時には、きっと本当にサッカーをやめるでしょう。それは、お子さんがひとつ先の段階に進んだということでもあります。お子さん本人の意思をきちんと見届けてから決定することが、一番大事なポイントになるでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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