歌が好きだが音痴の子どもについて ▶4歳女児のお母様より

Q

娘は年中組に通う元気な女の子です。娘がまだ幼いころから気になっていたのですが、どうも音痴のようです。歌は大好きで、大きな声で歌うのですが、音が外れています。本人はまだ、そのことに気がついていないようで、とても楽しそうに歌っています。
こういった場合は、音が外れていることを、伝えてあげた方がいいのでしょうか?歌うことを嫌いにさせては可哀想ですが、合唱の時などに、音を外し過ぎても困ります。どうしたらいいでしょうか。

A

:幼い子どもにとって歌は、活力を奮い立たせる、最も効果的なものです。気分に寄り添い、言葉を生き生きとさせて、語りかけてくれるものでもあります。音痴であることなんて、なんの問題もありません。
:お母さまは、お子さんが幼いころから、気になっていたようですが。
:正しい音程をきちんと歌っている子どもは、それほどたくさんいないものです。先生の指導やお友達の歌を聞きながら、だんだんと見についていくようです。
:そうですね。それが園の歌唱指導です。
このお子さんは、自分が音程を外していることに気が付いていないようです。
:楽しんで歌っていれば、本人はなかなか気が付けないものです。ただ、歌を何度もよく聞くことで、上手に音程をとれるようになることもあります。
けれども、そもそも歌は、楽しむものですから、楽しんで歌っているのなら、問題ないでしょう。
:音が外れていることを、伝えてあげた方がいいのでしょうか、とのことですが。
:それはしなくてもいいでしょう。園で歌うほとんどの歌が、楽しい言葉で成り立っています。お母さまは、その歌の世界を楽しませてあげる事を、大事になさるとよいと思います。
「あなたは歌が好きね」
「その歌は、どんな歌詞なの?どんなことを歌っているの?」
と意味を聞くように語りかけることです。
歌は、子どもに生き生きとして世界を提供するためにあるのです。それ以上に難しいことはお子さんに要求なさらないで、歌が大好きなお子さんを認めて、それを喜んであげて下さい。音程のことなど、指摘することは、せっかく楽しんでいるところに、水を差すようなものです。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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