左利きの子どもについて ▶6歳女児のお母様より

Q

小学校入学を控え、親子ともに、楽しみな気持ちと不安な気持ちで、毎日を過ごしています。
娘は、左利きです。今までそれを直すこともなく、ハサミやクレヨンなど全て左手で使ってきました。私は、別に左利きでも問題ないかなと考えています。
けれども、園で文字指導が始まり、先生から「文字は右手で書きなさい」と指導されているようです。園から帰宅した娘が「イヤだ」とか「左手で書きたい」と言うので、園の先生にご相談したところ「園では嫌がらずに右手で書いていますよ」と言われました。娘のためには、どうしたらいいのでしょうか。

A

:結論的に言いますと、無理に右手で書かなくてもいいでしょう。
:園で文字指導が始まり、先生から「文字は右手で書きなさい」と指導されているようですが。
:これは、強制でも何でもないでしょう。日本の文字は、右利きの人の筆順になっていますから、文字を練習するにあたって、先生からそのような助言があったのでしょう。左利きの人は、右手で練習していても、必ず左手でも書けるようになりますから「文字の最初の練習は、みんな右手でやってみましょうか」くらいのことだったと思います。
目的は、文字をきちんと書けるようになることですから、書きやすい方を使えばいいと思います。お母さまは、お子さんに
「園の先生は、右手でも書けたら良いなと思っておっしゃったのかな?」
というような助言をされるくらいで良いと思います。
:園の先生にご相談したところ「園では嫌がらずに右手で書いていますよ」と言われたそうですが。
:やはり、先生には右手で書くのはイヤだと言いにくかったのでしょう。けれども、お子さんにしてみれば、利き手ではないので力が入りにくく、書きにくいので、周りのお友達に比べて、上手に書けないのを気にしていたはずです。そんなお子さんの気持ちを、先生は気づかなかったために、このような受け答えをしたのでしょう。集団生活の中で、自分をコントロールできる力のあるお子さんですね。
「今までハサミもお絵かきも左手を使ってきたから、文字だけ右手なんて嫌なのね。わかるわ」
というような語りかけをしたうえで、
「両手で文字が書けるようになるのはステキなことよ」
「小さな時に右手をしっかり使っていると、大きくなったら、右手でもいろいろなことが上手にできるようになるから。そういう人いっぱい知っているわ」
「今は辛いけど頑張ってみたら?」
『右手で練習するとこんな良いこともあるのだ』というメリットをお子さんに伝えてみるのも良いかもしれません。
また今後、何かの壁にぶつかった時に、『頑張って練習して利き手じゃないほうでも文字が書けるようになったこと』は、自信になりますから、今回チャレンジすることは、きっと良い機会にもなるでしょう。
園で頑張って右手で文字を書いているようなら、お子さんの

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
Copyright(c) Yamanashi Gakuin University. All rights reserved.