ひとりごとを言って遊んでいる子どもについて ▶3歳女児のお母様より

Q

年少組に通う娘は、兄弟がいないため、園から帰ると一人で遊ぶことが多いです。そんな娘の姿を見ていたら、なにやらさかんにひとりごとを言っていることに気がつきました。
「○○ちゃんがね、△△へ行ったのよ」「あら、おかえりなさい」「今日は何を食べるの?」など、誰もいないのに、熱心にブツブツと話している様子に、なんだか怖いなと感じることもあります。娘に「誰とお話ししているの?」と聞くと「おともだち」と答えるので、少し心配です。
3歳児検診等では、発達について特に指摘も受けなかったのですが、娘は大丈夫でしょうか。

A

:かわいらしい、ステキなお子さんですね。想像のごっこ遊びができる、感性も知的能力もあるお子さんですから、お母さまは安心して、見守っておられるとよいと思います。
:園から帰ると、ひとりで遊ぶことが多いお子さんだそうですが。
:きっと園生活も、明るく積極的に過ごしているのでしょう。
幼児期の言語力は、聞くこと、話すこと、生活に適応すること、想像力を豊かにすること、という4つの柱がありますが、このお子さんは、言葉を自分の物にできる『想像力』の豊かなお子さんですね。
:周りに誰もいないのに、ブツブツと話している様子を、お母さまは怖いと感じることもあるそうですが。
:おそらく、ご自分に同じような経験がない大人ですと、不可解に感じたりすることもあるでしょう。でも、姿が見えなくても、そのお子さんの心の中には、生き生きとした人や物が存在しているはずです。
また、想像のお友達と話をしている時などは、お子さんは、自分の思いを、日頃の経験から手繰り寄せ、身に付いている言葉をもっとも自然に使っているはずです。こんな時に、言葉も思考力もとても発達していきます。想像は言葉によって支えられていますから。
:お子さんが、このような『想像のごっこ遊び』をしているような時に、お母さまは、お子さんの話に入っていった方がいいのでしょうか。
:話に加わっても、加わらなくても、どちらでも良いと思います。ただ、やはり遊びが、中断されてしまうようなことは避けて、声をかけておあげになることでしょうね。
お子さんの想像のごっこ遊びに、上手に加わることができると、いっそうその世界を広げることができます。さらに、お子さんが、お母さんに受け入れている安心感を持つことができます。
:3歳児検診等では、発達について特に指摘を受けなかったそうです。
:それはそうでしょう。問題があるどころか、むしろ、言語発達は高いくらいで、喜ばしい事だと思います。お母さまは、ぜひお子さんの会話を楽しんで、付き合ってあげて下さい。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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