大人っぽい言葉使いをする子どもについて ▶5歳男児のお母様より

Q

一人っ子の息子は、親戚にも子どもがいないため、大人に囲まれて育ってきました。そのためか時々、生意気とも思えるようなことを言います。
例えば、女性のお客様が来た時に「おばさん、美人ですね。その服似合いますよ」と言ったり、大人の話に入り「それは大変でしたね~」などと言ったりします。私もイライラするし、人によっては、子どものくせにと思う方もいらっしゃるのでは、と気になっているのですが、息子は大人の会話に入りたいらしく、遊んでいてもサッと走り寄ってきます。子どもが余計なことを言い出した時には、どのように対応したらいいのでしょうか。

A

:言語は、全くの模倣から習得するものですから、大人の中で育ったお子さんでしたら、こんな言葉を使うことがあるでしょう。ただ、お母さまとしては、子どもらしくないのではないかと、ハラハラしてしまうお気持ちもわかります。
:生意気と思えるようなことを言うそうです。
:5歳といえば、年中児ですね。そろそろ、自分がなんとなく一人前になったような、意識がはたらくころです。一人っ子で、大人の中で育ったのなら、なおのことでしょう。お子さんは、大人との会話で、かわいいなどと認められたり、関心の的になったりすると、相手の反応に合わせて、そんな言葉を使うのでしょう。
また、そんな生意気さを、かわいいとか楽しいなどと、面白がる大人の対応が、お子さんの発言をさらにエスカレートさせているということも考えられます。
:お母さまは「人によっては、子どものくせにと思う方もいるのでは」と気になっていらっしゃるようですが。
:周囲の方に対して、我が子をよく思われたいというお気持ちは、よくわかります。
お子さんは、大人の会話に入りたがるというより、大人に自分への関心を示してほしいと思っているのでしょう。けれどももし、大人の会話に口をはさむことを、お母さまが望まないのであれば、その場ではなく、寝る前や、入浴中など、一対一になるチャンスに、お子さんに話してあげることがいいでしょう。
:どんなふうに話すと良いでしょうか。
:「○○ちゃんは、いろいろなことがよく分かっておりこうだけれども、大人同士がお話ししている時に、子どもが口を出すことは、あまり良いことじゃないの」
「言葉使いはとても大切だから、乱暴な言葉や人の嫌がる言葉を使わない方が良いということはわかるわよね」
「人が嫌がる言葉の中には、子どもが使うと変だなと思われる言葉があるの」
「格好悪いというか、生意気で、嫌な子だと思われてしまう言葉なの」
「例えば、大人を褒めたり、励ましたりしたら、かえって失礼になることもあるのよ」
「大きくならないと、分からないこともたくさんあるのに、大人の話の中に入り込もうとすると、そんな失敗をすることもあるわ」
というような言い方で、気付かせてあげるとよいと思います。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
Copyright(c) Yamanashi Gakuin University. All rights reserved.