言葉は分かっているが、ほとんど話さない子どもについて ▶3歳女児のお母様より

Q

が子は大変おとなしく、自宅では会話をするものの、おばあちゃんの家や知り合いの家に行くとほとんど話しません。言葉は理解しているため、聞かれればうなずいたり、指をさしたり、手を振ったりしますが、反応が少なく、おばあちゃんも心配しているようです。来春には入園するのですが、大丈夫でしょうか?

A

:お家ではきちんとお話しするようですから、きっと人の話を聞いたり自分の思っていることを相手に伝える言葉の発達には問題はないでしょう。お母さまは、あまり心配なさらないで、今まで通りになさっていたら良いと思います。入園すれば、子供同士の関わりの中で、さらに言葉も育っていきます。
私も、内向的だったり恥ずかしがり屋だったりして、あまりお話をしないお子さんをたくさん知っています。話さないから発達が遅れているとは言えません。言葉の発達には個人差がありますから、お家の方とのコミュニケーションがとれていれば心配ありません。幼児期における言葉の機能を知ると、ご心配が少なくなると思います。
:幼児期における言葉の機能とはどんなものでしょうか。
:①人と話すこと②人の話を聞くこと③言葉を使って生活に適応すること④言葉で想像すること、これら4つの機能です。つまり、言葉を使って生活することができることです。それは徐々に育ってきます。言葉は人と関わるための第一の道具ですから、口数の少ないお子さんでも、ちゃんと聞いていることや、理解していることが分かれば、言葉の発達には心配いりません。
:ご相談では、おばあちゃまも心配されているとのことですが。
:お話ししなかったり、反応が少なかったりすると、言葉の発達だけでなくおばあちゃまは、この子は自分のことを受け入れてくれていないんじゃないかと気にかかっているのかもしれませんね。そこでお母さまの方から「この子はおばあちゃまの事が大好きなのに、恥ずかしくてなかなか言えないんですよ。今日も、私がおばあちゃまの所へ行くからと言ったら、喜んで一緒に来たんですよ」といった言葉を添えてあげると、おばあちゃまも気持ちが楽になると思います。さらに、おばあちゃまのして下さったことをこんなふうに「喜んでいたんですよ」とお子さんの気持ちを伝えたりすると、おばあちゃまとお子さんを繋げてあげられます。言葉は、そうした相互のつながりから、豊かに育っていきます。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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