仕事と子育ての両立に戸惑うお母様について ▶3歳男児のお母様より

Q

仕事をしながら子育てをしています。いつも慌ただしくて、息子をせかしてしまい、反省する毎日です。私が息子に「早くして、早くして」と言うせいか、息子も、祖父や父親に「早くして早くして」と言うようになってしまいました。
また、朝など時間がない時には、私が着替えなどを手伝ってしまうため、息子自身ではできない事も多く、どうしたらいいのか悩んでいます。
私のせいだとわかっていますが、落ち込んだり、イライラしたりするくらいなら、子育て中は仕事をやめたほうがいいのかなと考えてしまいます。

A

:お若いお母さまが、仕事と子育ての両立に、てんてこ舞いしておいでになるのがよくわかります。
:お子さんに「早くして、早くして」と言ってしまうことを、とても気にしていらっしゃるようですが。
:お母さまが、ご自分で気付いていらっしゃるのですから、大丈夫でしょう。遅刻をさせないための言葉だとお子さんも分かっているでしょうから、それほどご自身をお責めになることもないと思います。
:お子さんもご家族に「早くして、早くして」と言うことがあるそうですが。
:言葉は『まねぶ』といって、模倣しながら習得していくものですから、そのような事もあるでしょう。相手が血のつながったおじいさまやお父さまならば、笑って受け流してくれることだと思います。お子さんも、急がなければならない時はどんな時か、学んでいくでしょう。
:朝の着替えなどを、お母さまが手伝ってしまい、お子さん自身ではできないことを気にされていますが。
:過保護なせいではなく、時間に間に合わせるために、手を貸してしまうのですから、それほど心配ないでしょう。お子さんも、お母さまの手順をみているでしょうから、日々学んでいるはずです。
ただ、問題解決のひとつの方法として、お母さまの時間配分のチェックから始めることがよいと思います。どうしてもしなければならないこと、朝食の支度、自分の出勤の支度、お子さんの登園の支度、これらは欠かせませんね。この中のことで、前の晩に出来ることはしておく事はとても効果的です。その上で、6時30分に起床して「早くして」を連発しているのであれば、あと15分早く寝て、15分早起きをして手順を工夫してみる、というようなことです。『15分早く寝る』のは、たったそれだけのことのようですが、意外と本気にならないと習慣化できません。覚悟して、カレンダーにしるしをつけながら、1週間お続けになってみると、きっと何がネックになっているのかが見えてくると思います。
また、手元にタイマーを置きながら、忙しい朝の時間配分をしていくと、ずいぶん落ち着いて動けるようになるものです。気付かずに、無駄な時間の使い方をしている事はよくありますから、何かと何かの間に何ができるかということをタイマーが教えてくれます。それが、尊い朝の時間を生み出すことにつながります。
:今は、仕事をやめたほうが良いのかとまで考えてしまっているようですが。
:やめてもよいのならば、やめてもかまいませんが、仕事と子育てを両立している方はたくさんおられます。もうひと工夫して、働くお母さんと子どもが、どんな協力をし合えばよいか、落ち着いて考えてみると、プラスの一面が見えてくるはずです。お子さんは、一日一日と大きくなり、出来ることも増えるでしょうし、きっとお母さまの良き理解者となるでしょう。
一日が24時間ということ、休日はかならずあるということを考慮して『せめてこれだけは』というお子さんとの関わりのポイントを決めておくと、違った人生が開けるように思えるでしょう。ご主人と家事の事について、しっかり話しあうことも欠かせません。解決のためには、いろいろな方法があります。『急がず休まず心をこめて』をご自分に言い聞かせながら、乗り切って下さい。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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