仲間外れを親子で我慢しているお母さん ▶3歳女児のお母様より

Q

夏休みに入り、子どもの友達の数組の親子と遊ぶ機会がありました。子ども達が遊ぶ様子を見ていると、我が子だけが「入れてあげない」と仲間外れにされているようでした。
他のお母さん達は、自分の子どもを注意するでもなく、おしゃべりしていため、私から注意しづらく、その場は親子で我慢してしまいました。
これまで何度かこのようなことがあったため、相手のお母さんに伝えようかと思うのですが、今の関係が壊れるのも怖いです。どうしたらいいのでしょうか。

A

:初めての子育てに戸惑っておいでなのですね。やっと3歳の夏休みを迎えて、直面したことに迷っていらっしゃるお気持ちが伝わってきます。
:お子さんが仲間外れにされているようだ、とのことですが。
:集団生活を始めたばかりの、3歳くらいの子どもが、心無い言葉を平気で口にする様子が、目に浮かぶようです。お母さんも近くにいるので、得意になって、ワガママなボスぶりを発揮しているのでしょう。
:他のお母さんはおしゃべりに夢中で注意もしなかったようです。
:いろいろなタイプのお子さんがいるものですが、お友達に対して「遊びに入れてあげない」なんて普通に言えてしまうお子さんのお母さまは、こういったことは、たいしたことではないと思っていらっしゃるのでしょう。  また、遊び方や、ルールやマナーをわきまえていない3歳の子どものことですから、子ども同士で大きなケンカになったり、自分の子どもが被害にあって泣いたりしない限り、気が付かないということもあるでしょう。
:ご自分からは注意しづらく、我慢してしまったようです。
:このお母さまのお気持ちは、手にとるようにわかります。こんな我慢は、とても辛いことでしょう。穏やかなお人柄で、人に対してあまり強いことは言えないお母さまなのでしょうね。
:これまでも何度か同じようなことがあったため、相手のお母さまに伝えようと思ってもいるものの、今の関係が壊れるのが怖いとのことですが。
:そのお気持ちもよくわかります。
問題解決のひとつは、やはり伝え方を工夫することです。自分も子どもも、そして相手のお母さまたちも、傷つかない言い方をするのです。

:それはどんな言い方でしょうか。
:お子さんが仲間外れにされている様子を見たら
「あら、楽しそうね。うちの○○も仲間に入れてね。仲良くしてね」
と相手のお子さんにさりげなく伝えてしまうのです。たいていのお子さんは、それでまた仲間に入れてくれるはずです。
さらに、もうひとつの方法は、上手に関係を断つことです。
:どのようにしたらいいのでしょうか。
:相手のお母さま達には
「ごめんなさい。ちょっと用事を思い出したから、お先に失礼します」
「さあ、○○ちゃん。みなさんに、さようならしましょうね」
と言って帰ってしまうのです。いつも我慢しながら一緒に遊んだり、お付き合いしたりすることに、それほど意味はありません。
さらに言えば、相手のお母さまに注意を促すことは、嫌な気持ちを持ち越すことになるだけでしょうから、控えたほうが賢明でしょう。ケンカしないで離れてしまうことが一番です。
お子さんと一緒に、遊ぶ方法を考えてみましょう。探してみるとたくさんあるものです。絵本やビデオ、一緒にお菓子を作ったり、お店屋さんごっこをしたり、工作をするのもいいですね。きっと、外でお友達と遊んでいた1~2時間など、あっという間に過ぎてしまうでしょう。思いがけず、楽しい夏休みを過ごせるはずです。
夏休みが終われば、お子さんは、また園での集団生活の中で、たくさんのお友達との楽しい時間を持つことができますから、今はお母さまも焦らないで、お子さんとの時間を楽しまれることです。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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