子どもに対する夫の期待に悩むお母様について ▶5歳男児のお母様より

Q

私達にとって一人息子であるため、私も主人も我が子が可愛くて仕方がありません。その反面、主人は息子に対し、期待も大きいようで、そのために息子と衝突してしまうこともしばしばです。
例えば、プラモデルを作っている息子が、上手くできないのを見ると、だんだんイライラするらしく、最後には「もうやるな!」と怒り出します。ひらがなが読めない時にも、怒り、時には息子を叩く時もあります。
息子と主人とを、私が上手くつなげなくてはと思うのですが『パパはこわい』という息子の気持ちが強くなってきている気がします。どのように対応したらいいのでしょうか。

A

:赤ちゃんの時には、ただただ可愛くて、上手くいっていたのでしょうが、5・6歳になってくると、お子さんもいろいろできるようになり、お父さまの期待もエスカレートしてくるのでしょうね。
:お子さんがプラモデル作りを上手くできないと、お父さまはイライラが募るようです。
:それはお父さまが、単に気が短い性格ということだけではなく、子どもの発達について、正しい知識を持っていないため、というせいもあるでしょう。
:ひらがなが読めない時にも怒りだすそうです。
:文字に対する、大人の理解のあいまいさは、よくあることです。子どもの知識のバロメーターのように考えて、叱ったり励ましたりすると、かえって、文字への関心や習得の妨げになることもあるようです。
:お父さまは、お子さんを叩くこともあるようです。
:それは、お母さまがしっかりかばってあげないといけません。
「お父さん、叩かないでください。分かるように、話してあげで下さい」
「○○ちゃん、お父さんはあなたのことが、あまりにも大事で、たくさんのことを望んでいるから、ついイライラしてしまったのよ」
というように、ご主人を悪者にしないで、お母さまが暴力から守ってあげなければなりません。
:お子さんとご主人とを、上手くつなげなくては、と考えているようです。
:そのとおりですね。
ご主人の愛情の深さが、過大な期待につながっていることを、お子さんに伝えて、ただ単に怖がらせないことが大切です。また一方で、ご主人とは、子どもの発達の程度について、落ち着いて話す機会を持つことが必要です。
お母さまが、ご主人を批判しないで、お子さんを守る立場に立てば、必ず良いかたちで子どもは育ちます。
:お子さんの「パパはこわい」という気持ちが強くなってきている気がする、とのことですが。
:子どもにとって、怖い人はいてもいいのです。お父さんに愛情があれば、大丈夫です。親は、子どものかけがえのない『よりどころ』ですから、お母さまが、上手につなげたいとお考えになれば、きっとつながるはずです。
お子さんに対して
「お父さんが、○○ちゃんのこと、良い子でかわいいって言っていたわよ」
ご主人に対しては
「今日は、○○にこんな良いことがありましたよ。あなたに似ているのね」
というように言葉をかけて、喜びの種まきをしながら、お母さま自身が、子どもの発達や性格を伝えていけば、お互いにとってさらに、素晴らしい存在になることでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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