塾へ行くようになって円形脱毛症になった子どもについて ▶5歳女児のお母様より

Q

小学校入学前のこの時期、娘の発達が気になっています。クラスの中で、特に遅れているということもないのですが、いろいろなことを覚えたり、文字を読んだりすることが、ゆっくりな方だと思います。
そのため、娘を塾に行かせる事になりました。喜んで通っているようなのですが、最近娘が、円形脱毛症になってしまいました。皮膚の病気ではあるものの、実際には、塾がストレスになっているのではないかと心配です。

A

:はじめてのお子さんのようですね。きっと、おっとりとしたよいお子さんなのでしょうね。お母さまの一生懸命な姿も、目に浮かびます。
: 遅れているという程ではないが、お子さんの発達がゆっくりな方だと思い、塾へ通われているとのことですが。
:幼児の通う塾ですから、お勉強というよりも遊びのひとつなのでしょう。お子さんが、喜んで行っているのであれば、それはお子さんにとって望ましいことなのでしょうね。
: 最近、お子さんが円形脱毛症になったそうですが。
:円形脱毛症と言えば、すぐにストレスと関係付けてしまいがちですが、じつはこれは、本当に原因がわからないものなのだそうです。一生のうち、100人に7人位はなると言われています。
ただ、お母さまが気になさっているようでしたら、その関わりを見直してごらんになると良いと思います。
: どういうことでしょうか。
:小学校に行く前に、早く文字を読んだり、いろいろな事を覚えさせたいと思っている、そのお母さまの焦りが、お子さんを不安にさせているのではないか、ということです。
小学校は、大多数の子どもが、自然な発達の中で、充分必要なものを身につけることができるようになっているところですから、入園前から、何かを早く覚えこませようなどないと思います。お子さん自らが、学びとっていったものだけが、身に付くものだということを、よくお考えになればよいと思います。今通ってらっしゃる塾も、幼児期の教育の基本を踏まえているものと思います。それは、教えられることより、自ら学びとるということです。大きくなってからの、受験勉強のための塾を期待しているのであれば、それは現実とは少し違うように思います。
: どうしたらよいでしょうか。
:お子さんの毎日を楽しく、伸び伸び過ごすことにつきます。子どもは、自ら発達に必要なものを学びとっていきますから、脱毛についても、自然に治る事をゆっくりと待つのが一番です。必ず治りますから。もし、お子さんが気にしていても、
「こんなことよくあるわよ。すぐ、新しい良い毛が生えてくるわよ。そしたら、ステキになるわよ」
などと、言って励ましてあげてください。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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