父親の単身赴任 ▶5歳男児のお母様より

Q

年長組に通う息子は、パパと遊ぶことが大好きな子です。けれども最近、主人は仕事のために単身赴任することになりました。月に2度ほどしか帰ってこられません。最初は、大丈夫だと言っていた息子も、半月ほどたつと、おねしょをしたり、ちょっとしたことで泣いたりして、不安定になってきました。
半年後に控えた、息子の卒園を待って、私も息子も主人の赴任先へ引っ越す予定です。それまでの間、息子のために、どんなことに気を付けて過ごしたらいいのでしょうか。

A

:よいご家庭ですね。お父さまのことが大好きなお子さんの、健気な葛藤の姿だと思います。
:半月ほど前から、お父さまが単身赴任となり、お子さんが不安定になってきたということです。
:お子さんも、きっと最初のうちは、気が張って頑張れていたのでしょうね。けれど、このことの乗り越え方によっては、ご家族の絆がさらに深まり、お子さん自身も精神的に成長していくことにつながるでしょう。
:お父さまは、月に2度は帰宅できるようです。
:会える日は、お子さんにとってもお父さまにとっても、待ち遠しい日でしょうね。こういったことは、お子さんにとって、楽しみや目標を持ち、現実を見つめることの大切さを実感できる良いチャンスになると思います。

「パパが帰ってくる日を、カレンダーで見てみましょう。あと何日あるか○○君は数えられるかな?」
「次にパパに会える日まで、何か目標を立ててふたりで頑張りましょう。縄跳びにしようか?パパの名前を上手にかけるように練習するのはどう?」
などの声掛けはいかがでしょうか。

生活の具体的な事柄を目標にすることで、お子さん自身が主体的に取り組めて、お父さまを慕う純真な心が、エネルギー源になり、卒園までに驚くほど成長していくでしょう。 
:今お子さんは、おねしょをしたり、ちょっとしたことで泣いたりして、不安定になっているようですが。
:不安定の原因はわかっていますから、慌てることはありません。これはお父さまを愛している証拠だと考えて、安心していればいいと思います。
例えば、おねしょをしてしまった時には、
「あら、○○君。パパに会いたくなって夢を見ちゃったのね。大丈夫よ。きっとあなたの気持ちが届いて、パパもあなたの夢を見ているわよ。心がつながっているのね」
と、声を掛けて安心させてあげてください。

お子さんがグズグズ泣き出した時には
「パパがいなくて寂しいわよね。お母さんも同じで、なんだか泣きたくなる時があるのよ。パパが帰ってきたら、ふたりで頑張ったことお話ししましょうね」
と話して、電話はもちろん、お父さまに手紙を書いたり、お父さまの単身赴任先へのルートを地図で見たり、とにかく向日的に希望を持たせてあげることです。
カレンダーにお父さまが帰って来る日と、目標を書いた紙をいつでも見られる場所において、家族で共有できるようにすることも大切です。
半年後には、お子さんは小学校へ入学し、お父さまと同じ家で暮らせるのですから、小学生になったら何をしたいかなど、一緒に考えることもいいでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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