自分のことより人のお世話が気になる子ども ▶4歳女児のお母様より

Q

娘は、年中クラスに通い始め年下のお友達ができたことで、お世話をすることが大好きになったようです。そのことは、とても良いことなのですが、世話を焼き過ぎるので困っています。
例えば、園の行事でダンスをしている時、お友達の肩をトントンと叩いてみたり、お友達の手を取って動かしたりしているので、自分も全然踊れていない状態になっています。歌を歌う時にも、歌っていないお友達をツンツンと注意している間に、一曲が終わってしまいます。
お世話することより、まず自分のことをしっかりしてほしいのですが、どうしたらわかるのでしょうか。

A

:とても楽しいお話ですね。4歳児の典型ともいえる、成長のひとつの過程の姿ですから、お母さまは一緒に楽しまれるとよいと思います。
:年下のお友達ができたことがきっかけで、お世話好きになったようです。
:自意識の芽生えという言葉がありますが、自分が他人との関係の中で、独立して存在していることに気が付いた子どもは、様々な態度をとるようになります。『照れる』『恥ずかしい』というのとは反対に、『よく見られたい』『目立ちたい』ということもあります。自分が大きくなったのだ、お姉さんになったのだと思うと、その得意さがあふれ出てきて、まるで先生になったような気分で、お世話をするのだと思います。
:園の行事で踊る時や歌を歌う時に、他のお友達のお世話で、自分がしなくてはならないことができていないということですが。
:そういったお子さんも、よくいます。
そんなお子さんには、そのことを注意するよりも、得意さを見守りながら、自分のやらなければならないことをそっと気づかせてあげるのがいいと思います。
:どんなふうにしたらいいでしょうか。
:「あら、○○ちゃんは、よくわかっているのね」
「じゃあ、次はみんなと一緒に踊って見せて」
と言った言葉がけです。
大事なのは、このようなお子さんを、なんとなく否定的に見てしまう気持ちに注意しなければならない、ということです。
:お母さまとしては、自分のことをしっかりやってほしいようですが。
:こんな可愛らしいちぐはぐな成長の姿を楽しめるのは、幼児期だけですから、お母さまは笑いながらお子さん自身が、気が付けるような言葉がけをするとよいでしょう。
「あら、○○ちゃんまで、お手てが止まっちゃった。小さい先生、頑張って」
などと言っていると、お子さんもお母さまも傷つかずに、お子さんの次の成長を楽しめるでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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