先生の胸にさわる子ども ▶4歳男児のお母様より

Q

私には、年中組に通う息子がいます。息子が、年少組で担任だった先生に今年もお世話になることになり、親として私も安心しています。
先日、その先生とお話しする機会があったのですが、どうやら息子は先生の胸にさわることがあるようです。洋服の上からタッチする感じらしいのですが、さわる場所が胸なので気になりました。その先生はベテランの先生で「甘えたいのだから大丈夫ですよ」とおっしゃっていたのですが「お家で何かありましたか?」とも聞かれ、思い当たることもなく困惑しています。
家に帰り、息子にはしないように伝えましたが、治るのでしょうか?

A

:とても楽しいお話ですね。先生と信頼関係ができてきて、安心して甘えることができるからこそ、できることです。何もご心配はいらないでしょう。こういったことはよくありますよね。
:ありますね。今回は男のお子さんのお母さまからのご相談ですが、園では女の子が胸にさわってくることもあります。
:先生と関わりが深くなり、家族のような親しみを持つと、そのようにして甘えることができるようになります。子どもにとって、甘えられる人がいることはとても大切なことですから、お母さまは喜んでおいでになってよいことだと思います。
:さわっている場所が胸なので気になるとのことですが。
:子どもにとって、おっぱいは命の源のようなものですから、男の子でも女の子でも、親しみ深い場所です。よほど親しみをもっていなければ、そのようなことはしないでしょう。4歳のお子さんに、大人の感覚を持ち込んではいけません。幼児教育者を育てる立場から見ると、胸をさわられる先生になってよかったと思うほどです。
:先生からは、家で何かあったのかと聞かれたそうですが。
:情緒的に安定しているからこその行動ですから、家で何か問題がある時にはしないはずです。先生も特別な意味があっておっしゃったのではないと思います。
:もうしないように息子に伝えましたが、治りますか?とのことですが。
:治るとか治らないというような問題行動ではありません。してはいけないことと、おっしゃるようなことではありません。
「あなたは、○○先生のことが大好きなのね」
「○○先生は、とっても優しいものね。きっと先生もあなたのこと大好きだと思うわよ」
と、お子さんが伸びやかに育っていることを、ただ喜んでいたらいいと思います。そして、先生には
「うちの息子は先生のことが大好きで、園へ楽しく通っています」
とお話しされれば、さらに人間関係も深まるでしょう。
あまりご心配なさらずに、お子さんの生活が充実している証として安心して、子育てを楽しまれて下さい。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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