テレビやDVDに夢中子ども ▶3歳女児のお母様より

Q

うちの娘は、テレビやDVDが大好きです。特に、寒くて外遊びができない時や、年末年始の楽しい番組が始まると、テレビの前にいる時間がさらに長くなってしまいます。
娘が見ているテレビを途中で消すと、ものすごく怒ります。
「ずっとテレビを見ていると目が悪くなるよ」と言っても、年齢的にまだ理解できないのか、言うことを聞きません。どうしたらいいのでしょうか。

A

:3歳のお子さんが、テレビやDVDに夢中になっていることは、それほどご心配されることではありません。それはむしろ、お子さんが知的に発達している証拠ですから。
:寒くて外遊びができない時や、楽しい番組が始まると、テレビを見る時間がさらに長くなってしまうということですが。
:大人からすると、テレビばかり見るのは不健康だとか、もっと別の遊びをしたらいいじゃないかと思われるかもしれませんが。映像の中の世界にかわるものを、現実世界で見つけようとすることは、なかなか難しいことです。
お子さんが、どんな内容の番組に興味を持っているのか、少し注意して見てみると、きっとお子さんの心の中の世界が見えてきてお母さまも楽しくなってくるでしょう。
また、子どもの見るテレビやDVDの内容は、社会の中でよくよくチェックされていますから、あまりご心配されなくてもよいかと思います。
:見ている途中でテレビを消すと、お子さんはとても怒るようです。
:それは怒るでしょう。その世界に入って、楽しんでいるのに一方的にやめさせられたら、怒らないお子さんの方が心配なくらいです。
子どもに対して、そういった支配をしてもよいと考える大人もいますが、それは少し問題だと思います。
:どうしたらいいのでしょうか。
:テレビの番組はたいてい、15分から30分くらいですから、それが一段落したら、
「おめめが疲れちゃうから、少し休んでおやつにしない?」
「番組が終わったから、今度はお母さんと一緒に遊びましょうか」
と、区切り方を工夫して、お子さんが夢中になりすぎないように、上手にセーブしていくことです。
そして、テレビを見すぎていると目が悪くなってしまうことを、テレビを見ていない、落ち着いている時に話し、時間を決めて、見る番組を親子で一緒に決めるのです。一方的に禁止するのではなく、好きなテレビを見ても目が悪くならないための方法を提案して、お子さんが納得できる関わりをすることが大切です。そういったことを繰り返していくうちに、ダラダラとテレビを見てしまうことが少なくなりますし、お子さんも、自分の考えを表現して、相談できる力もついてくるでしょう。
:まだ年齢的にわからないのか、お母さまの言うことを聞かないということですが。
:3歳のお子さんの理解力は確かに幼いですが、わからないということはないと思います。
「あなたはこのテレビ番組のどんなところがそんなに好きなの?」
「どのキャラクターを気に入っているの?」
とまずは話をよく聞いて、
「あぁそうなのね。よくわかったわ」
「あなたがそんなに好きなテレビ番組だから、あなたがそのテレビを見る時間を、お母さんも大切にするわね」
「だから、あなたもお母さんのお話しをちゃんと聞いてくれる?」と
禁止や命令ではなく、お子さんがどうしてそんなに見たいのか受け止めて、どうしたら納得できるのか、意見を聞くことから始めるとよいでしょう。受け入れられていると感じることができれば、お子さんも安心して、お母さまの話を聞けるようになるでしょう。

(ラジオ番組「楽しい子育て」より)
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